こんにちは、haggyです。
景色や自分との対話がメインだった巡礼前半。
しかし、明らかに8日目から仲間との交流が巡礼のメインに。
歩くのがあんなに辛かったのに、毎日楽しいと思えるようになったのもこのあたり。
10日目は少し大きな街ベロラドへ。
一体どんな出来事が待っているのか、今回も巡礼に役立つ小ネタを散りばめつつ日記を綴っています。
スペイン巡礼を経験して
これまで自分が人に助けてもらうなんて「甘え」だと思っていた。
でも見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあった。
そして私はポンコツすぎた。。。
2025年5月~6月、スペイン巡礼にてフランス人の道を歩きました。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、その距離約780km以上。
日々限界を超えて歩いていくなかで、多くの失敗をし、泣きたくなる出来事に遭遇し、でもそれ以上の喜びと楽しさ、感動を味わいました。
毎日が宝物のような日々。
人生観すら変える旅だったからこそ、日記では嘘偽りなく全てをぶつけたい。
汚い体験・嫌な思い出・準備不足だったことも全て包み隠さず。
・海外旅行の体験談を読みたい方
・スペイン巡礼がどんなのか知りたい方
・スペイン巡礼をしようか迷っている方
が楽しめて参考になるように日記を綴っていきます。
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この記事でわかること
スペイン巡礼日記⑪ | 10日目、ベロラドへ

本日はサント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダからベロラドまで22km。
27.6km歩いた7日目や、29km歩いた8日目と比べると短距離だ。
予約って素晴らしい
この日の出発はAM7:55。
いつもよりも遅めの出発だが、なんたって今日はアルベルゲを予約している。
少しくらい遅くても、困るのは洗濯物の干し場所くらいだ。
ポイント
洗濯物を干す場所は、日光が当たる場所から埋まってゆく。
遅い時間になると日陰で干す羽目に
一緒に歩くメンバーはチェコ人ミゲル&スロバキア人マチョ、フロリダギャル・シードラ、札幌出身Rくん。

Rくんとは、前日の夜にしたchin chinの話で一気に距離が縮まったように思う。
みんなで固まって歩くこともあれば、2人+3人に分かれて歩くことも。
基本自由に歩くスタイル。
▽Rくんとフロリダギャル

誰かがどんなに先を歩いてもどこかで座って待っててくれるので、一人じゃない感があった。
いつかマチョと話したときのこと。
彼は本当にイケメンで、私が二十歳だったら間違いなく恋をして泣いていただろうと思うほど。
「君は日本でもめちゃくちゃモテると思う。
京都で浴衣を着て歩いたら皆が振り返って見ると思うよ。」と言ったら、
「本当に?chin chinって言ってもいいかな?」と喜んでいた。
それは絶対やめた方がいいと笑いながら諭したエピソードを、今も思い出してはニヤニヤしている。
グラニョンでカフェタイム
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダから6.5km(1時間半ほど)歩き、グラニョンに到着。
街の入り口の壁には巡礼者が描かれている。


コーヒーをテイクアウトし、外のベンチに座って飲んだ。
足を休めつつ、日焼け止めを塗る。
巡礼開始した頃は曇り空が多かったが、5月中旬を過ぎるとカラッとした快晴が多かった。
そのぶん日差しが強く、日焼け止めはマストだ。
曇り空でも紫外線は要注意なんだけども。
ポイント
日焼け止めはこまめに塗ろう。
私はこまめに塗っても日焼けし、過去イチ黒くなった。
ラ・リオハ州からカスティーリャ・イ・レオン州へ
フランス人の道では、4つの州を歩くことになる。
①ナバラ州(ロンセスバージェス~)
②ラ・リオハ州(ビアナ~)
③カスティーリャ・イ・レオン州(グラニョン~)
④ガリシア州(オ・セブレイロ)
グラニョンを過ぎたらカスティーリャ・イ・レオン州だ。
巡礼路を示すホタテ貝&矢印の下に、州の名前が書いてあるよ。

個人的にはカスティーリャ・イ・レオン州がいちばん印象的な出来事が多い州となる。
もちろんどの日も色褪せない思い出がたっくさんあるんだけどね。

前方にはスロバキア人マチョとチェコ人ミゲルがペアで歩いていた。

彼らは言語がほぼ一緒のため、母国語で会話をしていた。
聞くと、微妙に異なる言葉はあるそうだが、お互いの説明でカバーできるレベルの違いだそうだ。
何を話しているかはさっぱりわからなかったが、私は彼らの会話を聞くのが大好きだった。
とても聞き心地がよく、ずっと聞いていたいと思うほど。
彼らの会話をもう一度聞いたら懐かしくて泣いてしまうだろう。
そして二人はいつも前の日に残ったビールやワインを持ち歩き、休憩中に飲んでいた。
私も飲んだ。
札幌出身のRくんも飲んだ。
彼もたまに瓶を持つのを手伝っていたが、誰も私に「持って」と言わなかった。
ただでさえ荷物が重い私に持たせるのは酷だと思ったのだろう。
うう、みんな優しい。
ウンが付く
グラニョンから3.9km、レデシーリャ・デル・カミーノという街に到着。
ベンチがあったので、小休憩することに。
バックパックが超絶重たいので、身体からバックパックが離れるととてもスッキリした。
マチョがチョコ付きのクッキーを配る。
皆「I'm OK, but thank you」と丁重に断るが、無理矢理渡してくる。
日本にいたら飛びつきたいくらいすぐにいただくが、なぜか巡礼旅では食欲が落ちていた。
札幌出身Rくんもベンチに座りクッキーをもらっていたが、ふと立ち上がると鳥のフンがズボンに付いていた。

「わ!鳥のフンついてるよ!」と知らせると、慌てるRくん。
彼は安物で揃えた私と違い、全て良い服・良い靴など上質なアイテムで揃えていた。
それだけに鳥のフンが付くなんて気の毒だった。
筋トレの話
この日は小刻みに街に到着する。
レデシーリャ・デル・カミーノから1.6km、カスティルデルガドという街に着いた。

シードラ、マチョ、ミゲルはパン屋を見つけ、パンを買いに。
▽パン屋から戻ってきたところ

特にミゲルはバゲットを切らさないよう、頻繁にストックしてはバックパックのサイドポケットにぶっ挿していた。
彼のバックパックにはいつもバゲットがささっていた。
私は荷物が重すぎて、食べ物をストックしておく余裕などない。
注意ポイント
バックパックは軽ければ軽いほどいい。
巡礼中、飲み物や食べ物をバックパックに入れることも想定しながら、日本で入念に準備しよう
少し歩いた先にカフェがあったので、コーヒーブレイク。
その後はみんなでスポーツや筋トレの話。
ミゲルは柔道経験者。
柔道の父「嘉納治五郎」を知っていた。
それ以外にもミゲルは博識で、私は彼を本当に尊敬していた。
マチョとは好きな筋トレの話で盛り上がる。
筋トレしていてよかった。
巡礼したのが、色んなことを経験した40代前半で良かったと思う。
20代~30代前半は何にも考えないで生きてきたので、人と話を合わせることや議論することができなかっただろう。
酸いも甘いも経験し、様々なことを学んだおかげで色んな人と楽しく会話できた。
ベロラドへ
話に夢中になっていると、ビロリア・デ・リオハに到着。

ベロラドまで8kmだ。
残り8kmともなると、足も肩も痛くなり、歩くのが辛くなる。
肩の痛みを少しでも和らげるため、下からバックパックを持ち上げ、肩を浮かせて歩いた。
その場しのぎの対策で騙し騙し歩くのだが、みんなでお喋りしながら歩くので楽しい。
そうこうしているうちにベロラドに到着。
なんともポップなお出迎え。

写真のように巡礼中、いろんな国の国旗を掲げている場所があったが、日本の国旗は少なかった。
カラフルなおうちがかわいらしい。

アルベルゲの壁には巡礼者が描かれていた。

予約したアルベルゲを探しながら歩く。

そして14:40、歩き始めて7時間弱。
ついにアルベルゲに到着した。
この日も頑張った、自分。
集団行動について考えた日

この日宿泊したアルベルゲは「Albergue Cuatro Cantones」
プール付きのアルベルゲで、オーストラリア人女性クローディアが選んだところ。
部屋は20人ほどの大部屋だったが、クローディアやイタリア人女性イレネなど顔見知りの人も多かったので安心できた。
このアルベルゲは事前に予約しておけば、夜ご飯が食べられるレストランがある。
予約といっても入り口に置いてある表に、名前と人数を書けばいいだけ。
マチョ、ミゲル、シードラ、札幌出身Rくん、私の5人で予約した。
これで今夜も食事に困ることはない。
シャワーに慣れる
入り口前に巡礼者の木の像がある、目立つアルベルゲ。
▽スロバキア人男性マチョ

▽マチョ、シードラ、ミゲル

受付を済ませ、ベッドで荷物の整理をしたら恒例のシャワーだ。
潔癖症気味の私にとって相変わらずシャワータイムは苦痛だが、少しアルベルゲのシャワーにも慣れてきた。
というか慣れるしかない。
キレイめなアルベルゲで、シャワーがたくさんあるところなら辛いと思わなくなってきた。
こちらもCHECK
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スペイン巡礼日記⑧ | 7日目、27km踏破!ログローニョで最低のシャワーと最高の夜
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クローディアと再会
このアルベルゲを選び一緒に泊まろうと言ってくれたクローディアは、前日私たちよりも先へ進んだが、ベロラドで無事に再会できた。
このアルベルゲを選んでくれたのもクローディアだが、選んだ理由はプールが付いているから。
私たちが到着したときには既にひと泳ぎ終えたところで、テンションが最高潮だった。
「よく水着持ってたね」と言うと、「水着なんてないよ」と驚きの答えが。
彼女らは、下着にTシャツで泳いでいたのだ。
短パン&Tシャツで川にドボンしていた人もいたくらいだからな。
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参考スペイン巡礼日記④ | 3日目、絶望の後パンプローナへ!グルメ三昧した話
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クローディア含め、みんなでスーパーへ。
マヨール広場が開放的で心地よい。

巡礼を終えた旅人たちがベンチに腰かけ、足を休めながら談笑する光景も見られた。
スーパーでは水やワイン、ボディソープを購入。
注意ポイント
小さな街だとスーパーにシャンプーやボディソープがないことも。
買えるうちに買っておこう。
場合によってはスーパーすらない街もあるから、事前に調べておくと良い。
私の場合は、必ず誰かが教えてくれていたので調べなくても済んだ。
可愛い街並み
ベロラドは、訪れた街の中では中規模程度だった。
小さすぎず、かといってパンプローナやログローニョ、ブルゴス、レオンほどの大きな街ではない。
こぢんまりしているけど、巡礼に必要なアイテムはスーパーで揃うし、バルやレストランもある。
何より街並みが可愛らしかった。

カラフルな建物に可愛い窓。
そして赤と白のストライプがさらにキュンとする。

どこをとっても絵になる街だった。
これってルール違反じゃない?
スーパーでの買い物を終え、アルベルゲに戻っていたときのこと。
ちょうど下の写真のカフェで、テラス席に座っていた巡礼者たちの中に、シードラと札幌出身Rくんの知り合いがいた。

それぞれの知り合いのところへ「Hi~!」と挨拶に行き、しばし談笑する二人。
私を含むその他のメンバーは少し離れたところで、二人が戻るのを待つことに。
少ししてシードラが先に戻って来た。
すると私たちを見るなり、突然怒りをぶつけてきた。
「どうしてRはいないの?!
私たちはグループなのに。
私たちを置いて先に行っちゃうなんて、彼はひどすぎない?
ルール違反よ!!」
どうやらシードラは、Rくんがカフェで談笑していることに気付かず、先にアルベルゲに帰ったと思ったらしい。
「待て待て、ほら、彼はあそこのカフェにいるよ?」と伝えると、
「やだ私ったら~。てっきり彼は私たちを置いていったと思っちゃった~」と笑顔を取り戻していた。
欧米人ってあまりグループとかそういうのにこだわらず、個で動く文化だと思っていた私にとってこの出来事はけっこう衝撃だった。
後に私も彼らのグループチャットに加わることになるんだけど、けっこう頻繁に「今どこ?」「今日はどこ泊まる?」というやり取りが飛び交い、どこも一緒なんだなぁとほのぼの思った。
というか、割とみんな自由に一緒にいたり離れたりしているものだと思っていたけど、しっかり集団行動をしていることになっていたんだな。
Rくん、赤面
ダイニングルームでRくんは翌朝の朝ごはん作り。
彼はスーパーがある街ではしっかりと食べ物を調達し、サンドイッチを作っていた。
私はたとえサンドイッチだとしても、これ以上荷物を重くしたくないので、極力食べ物は持ち歩かない主義でいた。何が主義だ。
サンドイッチを作りながら、アルベルゲでの出来事について語りだすRくん。
同室のイタリア人女性がパンティにTシャツというセクシーないで立ちで歩いていて、目のやり場に困ったという。
巡礼中、アルベルゲでは男性は上半身裸でウロウロしたりすることもあった。
好みのボディなら「キャー♡」なんてこともあったけど、逆パターンはなんだか新鮮。
巡礼では薄着や下着同然の恰好で部屋をウロつくとは聞いたことがあるが、ここで遭遇するとは思わなかった。
遭遇したのはRくんだけど。
コミュニティディナー
待ちに待ったディナータイムだ。
ここのアルベルゲは決められたディナーではなく、普通のレストラン同様、メニューからそれぞれ好きなものを選ぶというシステム。
シェフのチェコ人男性ミゲルは、「イベリコ豚のスペアリブを頼むのが正解だ」と断言。
ポイント
ベロラドがあるカスティーリャ・イ・レオン州はイベリコ豚の飼育地でもある
と言われても、この旅を始めてから慣れない環境のせいか、日本食を食べられないせいか食欲がガクッと落ちていた私。
メニューの写真を見ると、とても食べきれる自信がない。
というわけで、ホウレン草のグラタンをオーダーした私。

スロバキア人男性マチョはピザをオーダー。
包装紙がかわいらしい。

イベリコ豚のスペアリブはRくんがオーダー。

美味しそう。
Rくんから一口もらい食べてみると、肉が柔らかくトロットロで美味しい。
食欲が落ちているとはいえ、意外と肉の量は少なく、これなら食べきれたかもしれない。
オーダーしなかったことを後悔したのだった。

テーブルワインが2本もらえたので、5人でワインを飲みながら談笑。
サングリアも頼んだので、テーブルはワインだらけ。
日本にいるときよりもお酒を飲んでいた。
なのに運動量が半端なく、食べる量も少なかったので7kg痩せた。
そして日本に帰り、しこたま食べて飲んでたら8kg太った。
歓談タイム
ディナータイムが終わると、アルベルゲのテラス席でハムをつまみにワイン&歓談タイム。

こんなにワインを飲み続けた日はないってくらい日々ワインを飲んでいた。
この日は少し肌寒く、UNIQLOのウルトラライトダウンを着用。
肌寒くてもワインと楽しい話をしていたら心も身体もポカポカだ。
イタリア人男性からイタリア語を教えてもらう。

残念ながら彼は数日後、足の痛みで帰国することになる。
インスタを交換していてよかった。
注意ポイント
過去のカミーノ日記で何度も書いているが、
仲良くなった人との連絡先交換は先延ばしにしないこと。
「後で交換すればいいや」「また会う機会もあるだろうからそのときに」と思っていても、二度と会えないことが多々ある
空は明るいのに夜10時。
まだ寝なくたっていい。
ずっと話していたい。
でも明日も早起きして歩かないと。
なんて短い夜なんだ。
と嘆きながら眠ったのでした。
翌日はとんでもない親切に驚く日となるので、ぜひお楽しみに!
Buen Camino!
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