こんにちは、haggyです。
9日目は、昨日とは違ったワクワクと興奮と楽しい出来事が待っていました。
今回もスペイン巡礼に役立つ情報を載せながら綴っていきます。
スペイン巡礼を経験して
これまで自分が人に助けてもらうなんて「甘え」だと思っていた。
でも見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあった。
そして私はポンコツすぎた。。。
2025年5月~6月、スペイン巡礼にてフランス人の道を歩きました。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、その距離約780km以上。
日々限界を超えて歩いていくなかで、多くの失敗をし、泣きたくなる出来事に遭遇し、でもそれ以上の喜びと楽しさ、感動を味わいました。
毎日が宝物のような日々。
人生観すら変える旅だったからこそ、日記では嘘偽りなく全てをぶつけたい。
汚い体験・嫌な思い出・準備不足だったことも全て包み隠さず。
・海外旅行の体験談を読みたい方
・スペイン巡礼がどんなのか知りたい方
・スペイン巡礼をしようか迷っている方
が楽しめて参考になるように日記を綴っていきます。
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この記事でわかること
スペイン巡礼日記⑩ | 9日目、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダへ
ナヘラの教会この日は皆に合わせてAM7:05出発。
昨日宿泊したメンバーと一緒に出発だ。
フロリダギャルのSさんは足が痛いため、バスを利用。
彼女は1日置きにバスを利用し、なんとか足の痛みと折り合いをつけながら歩いていた。
治るまで数日休む方法もあるが、皆と離れるのがイヤなのだそうだ。
ポイント
以前も書いたが、同じアルベルゲに2日以上は滞在できない。
アルベルゲを変えれば同じ街に数日滞在はできる。
1日置きにバスを利用することに対し、「何のための巡礼なのか」と陰で言う人もいた。
確かにそう思う気持ちもわかる。
私のゴールはサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩ききり、自分の気持ちに折り合いをつけること。
バックパックは配送しても、バスは利用したくはなかった。
しかし、巡礼の目的は人それぞれ。
バスを使うことに後悔がないならいいんじゃないかと思う。
今後も彼女はバスを使うことになるのだが、アルベルゲに着いたとき、嬉しそうな顔で彼女が出迎えてくれると安心した。
酒の話
チェコ人男性Mさんと一緒に歩いた。
彼は私よりも5歳ほど年上だ。
料理人で、かつてはバルセロナでも働いていたからスペイン語が堪能。
代わりに英語は片言だったが、会話には困らなかった。
この日Mさんとは延々お酒の話をした。
お互いの国の強いお酒や、仕事後のお酒の楽しみ方。
さらにお酒と合わせる料理の話まで。

Mさんの知識は豊富で、勉強にもなるしワクワクしながら話を聞いていた。
ちなみにお酒ではないが、味噌汁が好きだそうだ。
草花についても詳しく、ときどき道端に生えている草を抜いて味見し、その草の効能を教えてくれた。
真面目な話も歴史の話も笑い話もヘンタイな話も(!?)面白くて、私は彼が大好きになった。
むしろ勝手に懐いていた部分もあるけど。
オレンジポンチョ再び
話に夢中になっていると、ぽつぽつ雨が降り出した。
皆バックパックを地面に置き、レインコートを着始める。
私は得意のオレンジのポンチョだ。
上の画像を見たらわかるとおり、黒や青、ネイビー、カーキなどカラーバリエーションが豊富だ。
にもかかわらず私はあえてオレンジを選んだ。
理由は暗いときに事故防止になると考えたから。
ところが、届いて開けてみるとまぁダサい。
オレンジをポチっとした自分を呪ったが、オレンジにしたことで人との交流にめちゃくちゃ役立った。
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参考スペイン巡礼日記② | 1日目、ピレネー越えで肉体・精神ともに疲弊した話
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そしてオレンジポンチョを着た私に食いついたのがスロバキア人男性Mくん。
彼はやたらとオレンジポンチョ姿の私を気に入ってくれた。
「迷ってもすぐに見つけられるね。NASAも君を簡単に見つけられるよ」と笑い、写真まで撮っていた。

この写真、彼はすごく気に入ったようで、巡礼を振り返る彼のインスタ投稿にこの写真が紛れ込んでいた。
「気をつけて、NASAは君を見張ってるよ」
テレビやニュースでNASAを見聞きしたら、真っ先にこのエピソードを思い出すだろう。
雨上がり、空には虹がかかっていた。

暑いのでオレンジポンチョは脱ぐ。

そして虹を楽しんだ後、青空が広がる。

この日は上り坂が少なく、歩きやすい日だった。
友情の証
お次はオーストラリア人女性Cさんとの話。
この日も彼女は私のバックパックにこっそり花をつけていた。
休憩やバックパックを下したときに私が気付くと、ふふっと笑っている。
そんな彼女がたまらなく可愛かった。
そして彼女は友情の証にとコアラのキーホルダーをくれた。

これは日本で友達に買っていったら「いらねー笑」って真っ先に言われるやつ。
でも彼女がくれたこのコアラは私にとって一生の宝物だ。
彼女はいくつか買ってスペインに持ってきており、スロバキア人男性やチェコ人男性、フロリダギャル、札幌出身Rくんにも渡していた。
私のコアラは今、デスクに常備しているボールペンに付けている。
離れていても、Cさんやあのときの気持ちを思い出せるように目の見えるところに置いておきたいのだ。
ポイント
このとき私も日本から何か持ってきていればよかったなと思った。
バックパックの重さに余裕があれば、買って持って行くのもアリ
Cさんとは途中まで一緒に歩いていたが、目的地サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダより先の街へ行ってしまった。

のどかな道を延々歩く。
▼チェコ人男性Mさん。

休憩も挟みつつ歩いているうちに、目的地サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダが見えてきた。

サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダで最高の夜

この日は距離が短いのでいつもより楽だった。
13時過ぎにアルベルゲに到着。
アルベルゲは公営のAlbergue de peregrinos Cofradía del Santo。
チェックイン時にレシートを受け取ったら、日本語が書かれていた。

一部読みにくい箇所もあるが、スマホ以外から日本語を目にするのは久しぶりで嬉しかった。
シャワー事情
チェックインはスロバキア人男性Mくんとチェコ人男性Mさんと一緒に。
そのおかげで同室だった。

ベッドは下段を確保。

この日は1部屋に12個ほどのベッドがあり、私たちのグループ以外は皆知らない人。
それでも彼らが近くにいることが心強く、安心できた。
荷ほどきをしてシャワーだ。
このアルベルゲはシャワーの数も多く、かつドアにフックが付いていて、荷物をかけるのが楽だった。
ここでカミーノのアルベルゲにおけるシャワー事情を。
注意ポイント
アルベルゲで困ったこと
・ドアの壁が高く、身長154cmの私には持参したS字フックがかけづらい
・洗面所にある鏡の位置が少し高く、化粧やコンタクトをつけるのが大変
だからと言って対策できることはないんだけど、身長低めの方は覚悟しておこう。
珍しくこのアルベルゲでは、ドライヤーが0.5€で使えた。
以降のアルベルゲではドライヤーを見かけることはなかった。
せっかくドライヤーが使えたけど使う気にならず。
出発前、ドライヤーが無いことを憂いていたのにすっかり自然乾燥の生活に慣れてしまったのだ。
髪がごわつくけど、歩いているときはどうせ結ぶからいいのである。
スペイン料理&韓国料理
シャワーと洗濯を終えキッチンへ行くと、スロバキア人男性Mくんとチェコ人男性Mさんが食材を並べている。
どうやら料理人でもあるチェコ人男性Mさんが、パエリアを作ってくれるという。
プロが作る夜ご飯...。ゴクリ...。
胸が高まった瞬間だった。

Mさんの指示に従い、スロバキア人男性とともにお手伝い。
すると札幌出身男性Rくんがやって来た。
彼も同じアルベルゲだったようだ。
チェコ&スロバキア人男性コンビに変な言葉を教えた話をし、笑い合う。
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参考スペイン巡礼日記⑨ | 8日目、ナヘラへ。短いはずの一日が忘れられない29kmに
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しばしchin chin祭りに。日本で言ったらヤバい奴らだ。
一方、調理台ではチェコ人男性が鮮やかな手さばきで料理をしていた。
2本の包丁をバッテンにしてこすり合わせる仕草にうっとり♡
そしてパエリアを作る横で、韓国人グループが韓国料理を作っていた。
▼左がパエリア、右が韓国料理

なにこの調理台で国際交流し合う空間。素敵すぎる。
中々ない光景にめちゃくちゃテンションが上がる私。
そうこうしているうちに、前菜が完成した。

生ハムメロン。
たまらずスロバキア人Mくんとつまみ食いする。
チェコ人Mさんが作るパエリアも順調だ。
美味しそうな香りにこれまたうっとり。

写真にはないが、Mさんはビールを飲みながら料理していた。
私も飲みながら料理するが、どうやら万国共通のようだ。
その間に私たちはテーブルセット。

お皿を並べていると、何やら後ろから良い香りが。
お先に韓国料理が出来上がった。

少しおすそ分けしてもらい食べたが、韓国人が作る韓国料理にジーンときた。
韓国で韓国料理は食べたことはあるが、ここはカミーノ。
材料が乏しいなかでのクオリティにリスペクトだ。
そしてパエリアが出来上がった。
まずはエビのパエリア。

エビはプリプリだし、野菜不足も補える。
何より美味しい。
そして、魚介アレルギーのスロバキア人Mくん向けにもう1品パエリアを。
そう、チェコ人Mさんは手際よく2種類パエリアを作っていたのだ。

こちらはチキンのパエリア。
タンパク質を欲している私にとってもありがたい。
Mさんは巡礼に必要な栄養素を考慮しながら作ってくれたのだ。
これまで偏った食事をしていた私の身体も大喜びだ。
疲れた身体にMさんの手料理が身に沁み、これまで食べてきたどのパエリアよりも美味しかった。
ワインも進む。

この日わたしが手伝えたのはいんげんを切ったことだけだった。
材料費を払おうとすると「要らない。なぜ払うんだ?友達に料理を振舞うのは当たり前だ」と。
前日もサンドイッチを作ってもらったし、すごく良くしてもらっている。
申し訳なくて翌日のホステルを予約し、彼らの分の宿泊費をRくんと私で払った。
見えないところでお金を払ってはいたが、どう考えても彼らにしてもらった優しさや恩の方が大きい気がして、帰国して数か月経った今もどうすればこの恩を返せるかを考えている。
そして、翌日以降も彼らには大変お世話になることになる。
翌日はどんな出来事が待ち受けているのかお楽しみに。
Buen Camino!
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