こんにちは、haggyです。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーを出発し、全34日間でサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着したスペイン巡礼。
今回は初日にもかかわらず、全ての巡礼路のなかでも最難関のコースと言われるピレネー越えのお話。
辛さ・焦り・後悔など、色んな感情が駆け巡った1日でした。
0日目と同様、日記で振り返るとともに、1日目を乗り切るのに必要な情報も随所に交えながら綴っていきます。
スペイン巡礼を経験して
これまで自分が人に助けてもらうなんて「甘え」だと思っていた。
でも見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあった。
そして私はポンコツすぎた。。。
2025年5月~6月、スペイン巡礼にてフランス人の道を歩きました。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、その距離約780km以上。
日々限界を超えて歩いていくなかで、多くの失敗をし、泣きたくなる出来事に遭遇し、でもそれ以上の喜びと楽しさ、感動を味わいました。
人生観すら変える旅だったからこそ、日記では嘘偽りなく全てをぶつけたい。
汚い体験・嫌な思い出・準備不足だったことも全て包み隠さず。
・海外旅行の体験談を読みたい方
・スペイン巡礼がどんなのか知りたい方
・スペイン巡礼をしようか迷っている方
が楽しめて参考になるように日記を綴っていきます。
巡礼中、稀に歩いていると巡礼路から逸れてしまうことも。
「あれ?この道で本当に合ってる?」と不安になったとき、ネットが繋がっていればすぐにマップを開いて確認ができます。
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スペイン巡礼日記② | 1日目、ピレネー越えで肉体・精神ともに疲弊した話
結果的にヒィヒィ言いながらもなんだかんだピレネー越えを達成しました。
以降の日程で肉体的に辛くなっても「ピレネーを越えたんだから頑張れる」と己を鼓舞する魔法の呪文を言えるように。
そんなピレネー越えをさっそく振り返っていきましょう。
haggyのスペック
このピレネー越え、体験した人は
①思ったほど辛くなかった
②辛かったけどまぁ体力あるしなんとかカバーできるレベル
③思った以上に辛すぎた。マジで無理かと思った
④辛くてギブアップ
に分かれるんじゃないかと思います。
私の場合は③の思った以上に辛すぎた。マジで無理かと思った。
そんな私のスペックを明記しておきましょう。
・年齢:41歳(巡礼体験時点)
・登山経験:ほぼ無し
・体力や持久力:巡礼するまでは「ある」と勘違い
・運動歴:前年12月までジム通い。筋トレ+有酸素運動。巡礼前1~4月まで運動不足
・ケガ:無し
・歩くのは大好き
巡礼をする前年の12月までは、ジムで筋トレや傾斜をつけて歩く有酸素運動をしていました。
何年もジムに通っていたし、会社勤めをしていたときは行き帰りを片道40分歩いており、周りからも「すご~い」なんて褒めたたえられていたので、体力はある方なのだと思っていました。
この勘違いが見事に打ち砕かれることになるなんて...。
今おもうと、歩くの大好きと言っても普段歩いているのは札幌の平坦な道。
あとは旅行のときに、これまた平坦な道を2万歩程度。最大で3万歩前後。
登山はほぼしていないので、坂道は全くの初心者。
頑張っていたトレーニングは冬季うつでパッタリ。
冬の間は引きこもるレベルで外に出なかったのです。
そんな状態でなぜ「なんとかなる」と思ったのか謎すぎます。
注意ポイント
巡礼に向けて...
日頃から歩くだけでなく、登山や坂道を上る運動はしておいた方が良い。
さらにバックパックに荷物を詰めて歩く練習もしよう
2つのルート
実はサン=ジャンからロンセスバージェスまでは2つのルートがあります。
①ピレネー山脈を越えるルート(24.2km)
②ピレネー山脈の麓を迂回しヴァルカルロスを経由するルート(26km)
②の方が距離は長いですが、①よりも平坦な道が多く歩きやすいと前日に巡礼事務所で言われました。
体力や体調に不安がある方は②がおすすめです。
①のピレネー越えは高度300mを過ぎたあたりから、1,250mまで上ります。
平坦な道を歩いた後、最終的には最高1,430mまで。
ただし大変なぶん、景色は絶景。
高いところから見下ろす景色が雄大で、ハイジの世界にいるようでした。
1か所が絶景というわけではなく、歩きながらずっと絶景を楽しめます。
ポイント
今後も巡礼をしていくなかで、いくつか分岐ルートがあります。
初日は距離が短いピレネー越えの方が絶景ですが、基本的に長い道を歩くルートの方が絶景が多いです
大した下調べもしていないのに、初日=ピレネー越えだけは知っていた私。
ピレネー山脈がどれほどのものか全く知らない私がぼんやりと思い描いていたのは、イモトアヤコさんがTV番組で過酷な山に登るシーン。
でも高齢者も巡礼するんだから、そこまで過酷ではないだろう。
ハイキングよりはキツイけど、過酷とまではいかない登山くらいをイメージしていました。
なんとなくピレネーを越えてこそ達成感を得られるだろうなんて思っていたし、体力には自信があると勘違いもしていたし、迷わず①を選んだのです。
歩いている途中、何度も「②のルートにすればよかったかも」と後悔するんですが、今思うと①にして良かった。
日本人女性に遭遇
ホステルでは朝食が無料でした。
パンやフルーツ、ヨーグルトなどを自由に食べ、食器類は自分で洗って元に戻すというシステム。
前日に巡礼事務所で「1日目のロンセスバージェスは歩き始めると数時間は飲食店がないから、朝食はしっかり食べるように」と言われていたので、食べなければいけない。
しかし起きてすぐには食べられないタイプなので、この日は無理矢理パンとコーヒーを。
そして予定通りAM6:30、薄暗いなかホステルを出発。
長年の夢だった巡礼の1歩がスタート。
どうも朝早すぎたのか、周りにはあまり人がいない。
でも早く着いた分、宿のベッドは確保できそうだ。
そう、出発時点ではまだ余裕だったのです。
少し歩くと別れ道が。
「どっちだろう?」と地図をチェックしていると、
「こっちこっち~」
と韓国人ご一行が指をさして教えてくれました。
フランス人の道は3回目という韓国人ご夫婦と韓国人女性のグループ、その中に日本人女性Sさんがいたのです。
Sさんも私と似たような感じで、巡礼路に対してあまり下調べをしておらず、「なんとかなるよね~」くらいの感じで来ていた方でした。

しばらくはSさんとお互いの居住地のことなど色々話しながら、楽しく歩いていました。
この時点では坂道と言っても緩やか~な感じだったので、話しながら歩けるほど余裕。
ところでSさんを見ると日常で使うようなサイズのリュック。
巡礼3回目というエキスパートの韓国人ご夫婦も、韓国人女性もリュックが小さい。
みんな本日の目的地ロンセスバージェスまで、荷物を輸送するサービスを使ったとのこと。
ポイント
スペイン巡礼では、バックパックを目的地まで送ってくれるサービスがあります。
歩いているときに必要な最低限のものだけを小さいリュックに詰め込み、着替えや洗面道具などは目的地へ。
料金は1回6€(2025年5月時点)
しかしデメリットもあるので、詳しくは追々別記事で綴っていきます。
今思うと荷物を送ればよかったと大後悔。
ひたすら上り坂
Sさんと話しながら「なんだこれなら楽勝じゃん」と密かに思っていたのですが、そう甘くはなかった。
歩き始めて1時間半ほど、突然ガクンと傾斜がきつくなったのです。
まさに写真のこの場所から。
写真だと全く伝わりませんが、肉眼だと「え?これ上るの?」とドキドキするレベル。
でも仕方ない、やるしかないと腹を括り上り始めたわけですが、少し歩いただけでゼェゼェハァハァ。
気温は肌寒いはずなのに、少し上っただけで汗が顔や背中からつたってきます。
足を一歩一歩まえに出しているはずなのに、進んでいる気がしない。
そして私以上にキツそうにしていたのがSさん。
Sさんは道路脇の岩に座り込んでしまい、先を歩いていた私に「行っていいよー!」と言いました。
座り込んでしまったら立てなくなる気がして、先へ進むことに。
10秒ほど立ち止まり、息を整えまた上る...を繰り返し、なんとか最初の坂をクリア。
「これ以上キツイことはないだろう」と甘く考えたのもつかの間、また上り。
さっきよりも傾斜がキツイ。
途中傾斜が緩やかになっても、疲労の蓄積と上り坂への恐怖で辛い。
上り坂を体験して早々に、「これは想像以上に辛いぞ」と思い始めたのです。
さっきも言いましたが、荷物を送ればよかったです。
注意ポイント
荷物はロンセスバージェスまで送るのがおすすめ
霧で視界不良
思った以上に過酷で、思った以上に水を飲む。
500mlのペットボトルの水は、坂を上り始めて早々に底をつきかけました。
注意ポイント
水は500mlより多く持ち歩くのがおすすめ。
私は荷物が重たかったので、これ以上は持てないと500mlにしましたが、不安でした。
幸運にも少し歩くと給水ポイントが。
水道水を何年も飲んだ記憶がないけれど、四の五の言ってられません。
絶妙なタイミングで水道があったことに感謝です。
このあたりから休憩所まで、すぐ先になにがあるのかわからないほど霧がたちこめていました。
ぼやけた画像ですみません。
写真がぼやけているのを気にすることができないほど、上り坂にやられていたんです。
休憩所
やっとたどり着いた休憩所。
食事ができ、トイレもありました。
ここで、坂道を上っているときに一気に引き離され、先に進んでいた韓国人ご一行に再会。
ポイント
この休憩所を越えたら、ロンセスバージェスまでご飯が食べれるカフェやトイレはありません
厳密に言うと、飲み物やバナナなどを売っている移動式フードトラックはありました。
韓国人に上のアドバイスを受け、休憩することも考えましたが、
・一度休んだら動けなくなる気がする
・宿確保のため早く歩いておきたい
・お腹が空いていない
・食事をしたら後からトイレに困りそう
という思いから、5分ほど休んで先に進むことに。
当時の私は巡礼初日ということもあり、歩くペースやリズムがつかめていませんでした。
今もう一度同じ道を歩いたら、しっかり休憩していたでしょう。
追い越していく人々
この日に限らず巡礼全体で言えることなんですが、どうも私は足が遅いらしい。
ノロノロ歩く私を多くの人が「Buen Camino!」と笑顔で追い越していくのです。
私より年上の方が颯爽と追い越していく様子を見ると、情けなくもなりました。
なぜこんなに追い越されるのか、歩いているときに考えてみたところ...
・体力・経験の違い
・荷物が圧倒的に重い
・足の長さ
私は身長が154cmと低く、加えてガッカリするくらい足が短いので、どうしても歩幅が狭くなってしまうのです。
「うん、足の長さに違いない」と言い聞かせながら、追い越してゆく人々を後ろから見ていました。
私を追い越した人がカフェや休憩所で休憩し、追い越す→でも再び追い越される。
これもあるあるでした。
「これは競争じゃない」と何度も言い聞かせていたとき、思い浮かんだのが、オールスター感謝祭恒例の赤坂5丁目ミニマラソン。
最後に見たのは10年以上前ですが、
・心臓破りの坂で疲弊したタレントを追い越すマラソン選手
・「マラソン選手がいとも簡単にタレント〇〇を追い越してゆく~」的な実況
これらのシーンとBGMが脳内で流れていました。
無様な私
圧倒的に経験不足だった。
体力もなかった。
荷物も重たかった。
情けなかった。
こんなはずじゃなかった。
イメージではスタスタ歩いて、途中ヘトヘトになっている人を「一緒に頑張ろう」と鼓舞するはずだった。
でも鼓舞されているのは自分だった。
「無様」という言葉がよく似合っていた。
仲良くなった人の多くが私に「あんなに辛そうにしてたのに、よくここまでこれたね」と言っていたくらいだ。
周りから見ても私は辛そうだった。
きっと日本でこんな状態になっていたら、醜さを隠すためにギブアップしていただろう。
常につきまとう宿の不安
歩くのが遅く、思った以上に進まない。
そして次々と人が追い越していくことで焦ったのは、「宿のベッドが確保できないかもしれない」ということ。
250あるベッドのうち、既に100人が予約。
ということは残り150人分。
既に軽く150人以上は私を追い越しているぞ。
やばいやばいやばい...。
さっき会った日本人女性は「今日の宿は大きいから絶対大丈夫」とは言っていたけど、これだけの人に追い越されたら無理かもしれない。
道中そんなことを延々考えていたのでした。
終わらない上り坂
「これだけ上ったんだから、さすがにもう上らないでしょ。これ以上のぼり坂あっても無理だし!」と思っても、容赦なく上り坂が続いていきます。
険しい上り坂では、10歩進むごとに小休止。
亀のようなペースに多くの人が追い越していきます。
登山に慣れていない私は、1,430mがどれくらいなのか見当がつかず、上り坂が永遠に終わらないような気がしていました。
半分の距離も歩いていないうちから足の裏が痛くなり、慣れない上り坂に太ももがパンパン。
呼吸はゼェゼェ。
少し平坦な道で呼吸が整ったときに、再び上り坂が見え絶望。
この繰り返しで、ただただ地獄でした。
オレンジ色のポンチョ
ネットで買った激安のポンチョ型レインコート。
これがビビットなオレンジでとにかくダサく、届いたときから「交通安全の人みたいだな」と思っていた。

この日は雨が降ったり止んだりで、ポンチョをかぶっていることも多かったんだけど、なにせ使い方に慣れていない私。
歩いているうちにサイドを留めてるマジックテープが剥がれ、ポンチョがはためいてしまう。
しかしこのクソダサいオレンジポンチョ、どうもかなり遠くの人からも目立っていたらしく、「あのオレンジを追ったら道に迷わない」と道しるべに思われていたらしい。
私を追い越すときに「へーい!やっとオレンジポンチョに追いついた!」とか「目立ってから迷わずに済んだよ」とか色々言われました。
このオレンジポンチョのおかげで、話のネタが広がり仲良くなった人も。
後日、めちゃくちゃ仲良くなったスロバキア人の青年から、「NASAも君を簡単に見つけられるよ」と冗談を言われ爆笑したのも良い思い出。
広がる絶景
容赦なく体力を奪い続ける上り坂。
しかしその中にもオアシスがありました。
道中広がる絶景です。
高い所を目指して上っていくので、眼下には緑の美しい絶景が広がっていました。
それに道中はのどかな田舎の風景。
羊や馬、牛がたくさんいました。
でも荷物を送っていれば、もっとこの絶景を楽しめたのにな。
注意ポイント
しつこいけど、体力に自信がない方は、景色を楽しむためにも荷物はロンセスバージェスまで送るのがおすすめ
バックパック
スペイン巡礼でのバックパックは、体重の約7分の1の重さが適正と言われています。
私の場合、巡礼中に全ての仕事を休むことはできないため、ノートPCを持参。
バックパックの他に日常で使うリュックを前に背負い、ノートPCや貴重品を入れていました。
前後のリュックで合計11kg。
平均よりも激重です。
少しでも足がよろけたら、バックパックの重さでそのままよろよろと転んでしまいそうなほど。
この重さが肩にのしかかり、足に加えて肩も痛い。

ノロノロ歩いていると、陽気なアメリカ人男性が話しかけてくれました。
日本が大好きなMさん。
お互いの国のことを話しているうちに、私の背中をじっと見るMさん。
すると、「バックパックの紐が緩んでいるからギュッと締めてカラダに密着すると楽になるよ」とアドバイスをくれたのです。
恥ずかしながらそんなことも知らずにバックパックの旅をスタートさせたことはさておき、言われた通り紐を引っ張り密着させるとだいぶ楽に。
人の優しさ
辛そうに歩いている私を見て、Mさんだけでなく色んな人が声をかけてくれました。
アメリカ人男性Jさん&アジア人男性コンビは、アスファルトよりも草の上を歩いた方が足の痛みが和らぐと教えてくれたし、道中「元気?大丈夫?」と気遣ってくれる方も多かったです。
荷物が重い・体力がなくて辛そうにしているのは自業自得なはずなのに。
どうしてみんなここまで優しくしてくれるんだろう。
これらの気遣い、私は日本でしていただろうか?と考えたとき、していなかったことに気付いた。
そして人の優しさは巡礼の最後まで感じ続けることになるのです。
誰もいない下り坂
上り坂でカラダはとっくに限界突破。
そんななかで待ち受けるのは一気に降りる下り坂。
上り坂でパンパンになった足をプルプルさせながら、慎重に下っていく。
1歩1歩、足の裏が地面に接地するごとに、苦痛で顔がゆがむ。
下るだけでも相当辛いのに、雨が降った影響でぬかるんだ道がさらに苦しめる。
数歩迂回しなければいけなかったり、靴が汚れないよう慎重に足の踏み場を考えながら歩いたり。
下り坂でも私の速度はノロノロのまま。
そして上り坂で多くの人が追い越していった結果、下り坂では人がほとんどいない。
視界に人を捉えることが珍しいほど。
もう全員到着しちゃって、自分がびりっけつなのでは?と思うほど下り坂では人がいませんでした。
このときには「もし宿がなかったらタクシーで次の街まで行こうかな」と半ば諦めていました。
もう仕事辞めようかな
道中、辛すぎて少しでも楽になることばかり考えていました。
そこで考えたのが仕事のこと。
あまりにも疲れ果て、無事に宿につけたとしてもシャワーや洗濯だけでいっぱいいっぱい。
毎日こんな日が続くなら、仕事辞めちゃおうかとすら思ったほどです。
「こんな状態で仕事をしてもうまくいかない。
いや待てよ。それなら何のためにノートPCを持ってきたんだ!」と葛藤。
辞めることは踏みとどまったけど、少しでも仕事を軽減させることばかり考えていました。
巡礼は自分との闘い
「巡礼は自分との闘い」であることを初日で思い知りました。
人との競争ではないし、この辛い状況をどう打破させるかも自分次第。
キツくてどうしようかと思ったけど、諦めるという選択肢は全くありませんでした。
後日別な記事で書こうと思いますが、巡礼の動機がモチベーションになったから。
ただ、巡礼の動機がなく、娯楽で行っていたらドロップアウトしていたかもしれません。
見えないゴール
巡礼初日、Buen Camino Appの使い方がイマイチよくわかっていませんでした。
・あとどのくらいで街が見えてくるのか
・ゴールまでどれくらいか
・今自分がどのあたりを歩いているのか
これらがまったくわからず、ペースをつかめなかったので途方もなく感じたのだと思います。
初日からBuen Camino Appを使いこなせていたら、もう少し要領よく歩けていたでしょう。
日を追うごとに、
・歩き始めて最初の街はどこか
・そこにバルやカフェはあるか
・どのくらいの距離感で街があるのか
・休憩はどのへんで入れるか
などを考えて歩くようになりましたが、初日にして最難関。
私の歩き方は「素人がやみくもに歩いた」と言ってもいいくらい。
下調べや事前準備をしておけばよかったと後悔しています。
そんな失敗や挫折を経験したけど、道中夫にメッセージを送ったり、休んでいる間に動物の動画を観て癒されたりしていました。
それができたのは、データ通信が無制限で使えるHolaflyのeSIMのおかげ。
翌日以降の巡礼でも、巡礼後のマドリード・バルセロナ・パリ旅行でも大活躍でした。
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参考スペイン巡礼インターネット事情~WiFiはある?SIMは必要?~
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ロンセスバージェスのアルベルゲにて
前日から宿がないことを心配し、焦っていた私。
でも思った以上にサクサク歩けず、休みながらノロノロ歩くことに。
急な下り坂を降りて、街や人が見えてきたときは達成感でいっぱいでした。
平坦な道なら楽勝だったけど、ほとんどが上り坂。
そして最後の下り坂で足がやられまくったのです。
注意ポイント
私は盛大な勘違いをしていましたが、巡礼路は毎日アップダウンを経験します。
野を越え山を越え...というイメージ。
なぜ私は平坦な道を想像していたのでしょう...
結局AM6:30にサン=ジャンのホステルを出発し、ロンセスバージェスのアルベルゲに着いたのはPM3:30。
9時間かかったのでした。
なんとか入れたアルベルゲ
無事にロンセスバージェスに着いても宿を確保できなければ意味がありません。
ドキドキしながらアルベルゲ(巡礼者用の宿)へ。
修道院をアルベルゲとして利用した建物で、とにかく広い。
入り口に入ると既にチェックインを済ませ、シャワーに入ってスッキリした状態の人たちや、洗濯物を持ってウロウロしている人たちなど、人でごった返していました。
ここでチェックインに至るまで謎の動きが。
近くにいた女性スタッフに「予約していないんですが、泊まれますか?」と聞いてみると、あそこにいる男性に聞いてみてと。
言われたとおり男性の元へ行き聞いてみると、はじめに私が質問した女性スタッフに聞くよう言われる。
???状態で再び女性のもとへ。
すると「私にOKと言われたことをさっきの男性に伝えて」と。
???状態で再度男性のもとへ。
そこでやっと「あそこの奥で支払いして」と案内される。
疲れがピークで頭が回らないなか、言われたとおりに右往左往。
なぜ何往復もしたのだろう...?
でもこのときは泊まれそうなことに安堵していたので、謎の行動もさほど気になりません。
奥で受付をし、会計をしたのでした。
自分は最後に到着した人かと思っていたら、その後も到着する人が続々と。
あんなに焦る必要なんてなかったんだな。
ポイント
1日目、穏やかな気持ちでピレネー越えができるように...
agodaもBooking.comにもアルベルゲは検索画面に出てきません。
出てきてもロンセスバージェスから20kmなど、遠いところなので予約しないよう注意。
ロンセスバージェスのアルベルゲ公式サイトからのみ予約できます。
ただし、私のように前日慌てて予約しようとしても予約いっぱいでできません。
数日前に予約しておこう。
札幌の男性に不信感
会計が終わると入り口前で待機するように言われ待つことに。
すると一人の男性が日本語で声をかけてきました。
坂道を上っているときに、「アスファルトよりも草の上を歩くと痛みが和らぐ」と教えてくれたアメリカ人男性Jさんと一緒にいたアジア人男性でした。
彼は日本人だったのか!
続いて彼は「札幌から来たんですよね?」と聞いてきたので、「あ、そうです」と答えたのですが、
ん?待てよ?
なんで私が札幌出身だと知ってるんだ?
私の個人情報がどこかで漏れたのか?
Xで呟いていたからか?
でもXで呟いたところで、私だとはわかるまい。
どういうことだ?
と???状態。
どういうことかと言うと...
バックパックの紐を調整してくれた日本大好きアメリカ人Mさんが、私と会った後に彼と遭遇
↓
札幌出身の女性に会ったことと私の容姿を彼に伝える
↓
容姿から「坂道で辛そうにしていたあの人だ!」とピンとくる
↓
アルベルゲで話しかける
という経緯だったそう。
これが記念すべき札幌出身Rくんとの出会い。
これからゴールまでの大半を彼と過ごすことになるんだけど、出会いは不信感から始まったのでした。
巡礼後半に知ったのですが、Rくん曰く、私がこのとき怪しんでいたのがモロ顔に出ていたそうです。笑
激痛のベッド
到着が遅かったせいか、案内されたのはメインからだいぶ離れた建物。
1部屋10人くらいで、国籍も男女も混合。
私のベッドは2段ベッドの上。
いざ上ってみると足の裏に激痛が。
階段は平坦な板ではなくパイプ。
幅が狭かったため、散々歩いて傷めた足の裏にクリティカルヒット。
容赦なく足の裏に鋭利な物が突き刺さっていく感覚でした。
しかも靴はロッカーに入れるので、足裏を守るのは靴下のみ。
さらにマットレスに到達するには腕の力も必要。
うそ、2段ベッドに上るのってこんなに大変だったんだ。
この日から下段のベッドを願うようになったのです。
石鹸は洗剤じゃない
ベッドでダラダラしたいのはやまやまだけど、ダラダラしてしまうとシャワーや洗濯がどんどん後ろ倒しになる。
シャワーを使っている人はいないから、今のうちに入ってしまおう。
というわけでサン=ジャンのホステルよりもだいぶ狭いシャワーへ。
髪の毛が壁にベターっと張り付いていてゾッとするけれど、早く出ることだけに集中し、ひたすら耐える。
なぜ出るときに周囲をチェックして洗い流さないんだろう。
「くそー、早く出たいぜ!」と思いながらも汗はたっぷりかいているし、髪も汗でベタベタ。
洗い流してスッキリしました。
でもこれからシャワータイムが憂鬱になるなぁとプチ絶望したのです。
▼洗面所にあったドライヤー。
ドライヤーの存在に気付いたのは、自然乾燥した後だった。
後にも先にもアルベルゲで無料ドライヤーがあったのはここだけ。
シャワーの後は洗濯。
巡礼では宿に着いたらベッドメイク→シャワー→洗濯で1セット。
洗濯まで終わってやっとほっと一息できるのです。
どうやらこのアルベルゲでは寄付すれば洗濯機が使えるよう。
大体のアルベルゲでは洗濯機4€+乾燥機4€だけど、寄付なら安く済む。
時間も遅いし天気もあまりよくないし、今日は手洗いではなく、洗濯機と乾燥機で洗濯しよう。
しかし洗濯機を使っている人がいて順番待ち。
その間にスイス人男性から次の洗濯機をシェアしないかと提案が。
きたーーーーーー!
洗濯機をシェアすることがよくあるとは聞いていたけど、まさか初日で経験するとは。
これも人生の経験ということで、快諾しました。
もちろん下着も。
下着は恥ずかしさを軽減させるため、ネットに入れるのがおすすめです。
「先に洗濯物入れといたから~」と言われて、私も後に続くと、
ん?洗濯物と一緒に何か入ってるぞ???
よ~く見ると固形石鹸を細かくちぎったものでした。
「これどうしたの?」と聞くと、「洗剤がなかったから代わりに石鹸を入れたんだよ~」と。
マジか!!!
洗剤は私が持ってきたのを使いました。
でも私も中々のズボラなので、細かくちぎられた石鹸はそのまま突っ込んだまま洗濯。
日本人女性と再会
洗濯を待つ間、部屋の外にあったベンチでくつろいでいると、午前中に出会った日本人女性Sさんと再会。
道中かなり遅く歩いていたのに、一度もSさんに会うことがなかったので、無事にたどり着いているか心配でした。
そしてまさかの同室。
再会できて本当に良かった。
「私たちピレネーを越えたんだね!」
と感動し合いながら、再会を喜んだのでした。
コミュニティディナー
近くにスーパーはなく(あっても疲れてるから自炊なんてムリ)、お腹もペコペコだったのでアルベルゲで提供してくれるディナーを食べることに。
ポイント
チェックイン時にディナーの要不要を聞かれる。
ディナーは10€。
節約したい方はサン=ジャンで食料品を買ってアルベルゲのキッチンで自炊できる
アルベルゲでのディナーは「コミュニティディナー」と呼んでいました。
アルベルゲから徒歩2分ほどのレストランへ行くと、丸テーブルへ。
一緒に座ったのは私含めて9人。
私の横は日本人女性Sさんと、後に帰国後も連絡を取り合うほど仲良くなるオーストラリア人女性Cさん。
ワインとお水がテーブルに置かれ、乾杯とともに巡礼に来た理由を順番に話すことに。
これもきたーーーーーー。
巡礼の理由を共有し合う場があるとも聞いていたので、とうとうきたかとビクビク。
これも後日別な記事で紹介する予定ですが、私の巡礼理由は重めなほう。
言って場をシーンとさせるのも気が引けたけど、来た理由に嘘はつきたくなくて本当のことを伝えました。
慰めの言葉や、「この巡礼で何か見いだせることを祈ってるよ」と優しい言葉を言ってもらい、和やかな雰囲気に。
このグループでは宗教上の理由や「楽しむため」が一番多かったです。
▼チキンか魚か選べた。私はチキンをチョイス
仲良くなった人とさっそくインスタ交換。
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「ピレネーを越えたら翌日以降は楽になる」と言われていましたが、翌日もその次の日も、最後まで苦労した私。
翌日は一体どんな旅が待ち受けているのでしょうか。
楽しみにしていてくださいね。
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▼読んでいただきありがとうございます