こんにちは、haggyです。
スペイン巡礼について調べていると、「つらい」「きつい」という言葉をよく目にすると思います。
何百キロもの距離を歩き続ける旅
毎日20km以上歩く生活
知らない土地での長期滞在
そう聞くと、
・自分にできるのかな
・途中で歩けなくなったらどうしよう
・アルベルゲでの生活が嫌になったら?
と不安になるのは当然のこと。
実際に私も歩く前は同じように思っていました。
私の場合は、長距離を歩いた経験がほとんどないくせに、妙に「大丈夫だろう」と歩くことに関しては楽観的でした。
不安だったのはアルベルゲでの生活。
潔癖症気味なので、共同シャワーやトイレに慣れるか心配だったのです。
そして実際に歩いてみて感じたのは、確かにスペイン巡礼は楽な旅ではないでした。
アルベルゲの生活に対しての心配は的中し、歩きについても思っていた以上に大変で、「つらい」と感じる瞬間が何度も。
でも同時に、そのつらさ以上に得られるものがあったのも事実。
そこでこの記事では、スペイン巡礼は本当につらいのかという疑問に対して、実際に歩いた経験をもとに正直にお伝えしていきます。
大変だったこと、歩けなくなったときの対処法、そしてそれでも「歩いてよかった」と思えた理由まで、これから巡礼を考えている方が不安を減らせるようまとめました。
読み終えたときに、「自分にもできるかもしれない」と少しでも思ってもらえたら嬉しいです。
スペイン巡礼を経験して
これまで自分が人に助けてもらうなんて「甘え」だと思っていた。
でも見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあった。
そして私はポンコツすぎた。。。
2025年5月~6月、スペイン巡礼にてフランス人の道を歩きました。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、その距離約780km以上。
日々限界を超えて歩いていくなかで、多くの失敗をし、泣きたくなる出来事に遭遇し、でもそれ以上の喜びと楽しさ、感動を味わいました。
毎日が宝物のような日々。
人生観すら変える旅だったからこそ、日記では嘘偽りなく全てをぶつけたい。
汚い体験・嫌な思い出・準備不足だったことも全て包み隠さず。
・海外旅行の体験談を読みたい方
・スペイン巡礼がどんなのか知りたい方
・スペイン巡礼をしようか迷っている方
が楽しめて参考になるように日記を綴っていきます。
この記事でわかること
①スペイン巡礼は本当につらいのか?

スペイン巡礼について調べると、「つらい」「きつい」といった言葉を目にすることが多く、不安に感じる人も多いと思います。
実際に数百キロという距離を歩く旅なので、楽なものではありません。
ただ、その「つらい」という言葉だけが一人歩きしている印象もあるかなとも感じました。
何がどう大変なのか、そして自分にとって本当に乗り越えられるものなのかを具体的に知ったうえで判断した方が良いのではないかと。
というわけで、ここではまず実際に歩いて感じた難易度をもとに、「スペイン巡礼は本当につらいのか?」という疑問に正直に答えていきます。
スペイン巡礼はつらい?
- なぜスペイン巡礼は「つらい」と言われるのか
- 実際に歩いて感じたリアルな難易度
- 体力に自信がなくても歩けるのか
なぜスペイン巡礼は「つらい」と言われるのか
スペイン巡礼が「つらい」と言われる理由は、めちゃくちゃシンプル。
それは、日常生活では経験しないレベルでひたすら歩くから。
多くの巡礼者は1日に20km前後、多い日には30km近く歩きます。
それを1日だけではなく、何日も。
フランス人の道は1ヶ月以上続けることになります。
普段の生活でこれだけの距離を毎日歩くことはほとんどないため、最初は体が追いつかず「つらい」と感じやすいのです。
そして、忘れてはいけないのが天候の影響。
強い日差しの中を歩く日もあれば、雨や風にさらされる日もあります。
加えて、重いバックパックを背負って歩くことで、足や肩への負担も相当なものに。
もうひとつ大きいのが長期間続くこと。
「1日だけ頑張れば終わり」という旅ではないため、疲労が少しずつ蓄積していきます。
実際に歩いて感じたリアルな難易度
実際に歩いてみると、「想像より大変だった部分」がけっこうありました。
足・肩の痛みや筋肉痛、慣れない食生活が重なり、「これを毎日続けるのか」と不安になることも。
ただ、不思議なことに、徐々に慣れていきます。
1週間ほど経つと、歩くこと自体には慣れてきて、ペース配分や休憩の取り方が分かるようになりました。
体が慣れると言う人もいますが、私の場合は「毎日が辛いということに慣れた」という方が近いかもしれません。
また、ずっと苦しいわけではなく、むしろ気持ちよく歩ける瞬間も多くあります。
・朝日を見ながら歩く静かな時間
・広がる絶景
・仲間との何気ない会話
そういったシーンがあるからこそ、単純に「きつい旅」とは言い切れないのが巡礼の面白さでもあります。
体力に自信がなくても歩けるのか
これから巡礼を考えている人が一番気になるのが、「体力に自信がなくても歩けるのか」という点でしょう。
結論から言うと、体力に自信がなくても歩いている人はたくさんいます。
私みたいに体力に自信あると思っていたのに見事に打ち砕かれるパターンもありますが...。
実際に現地では、年齢も体格もさまざまな人が自分のペースで歩いていました。
中には高齢の方や、決して運動経験が豊富とは思えない人もいます。
大切なのは、
・無理をしないこと
・自分のペースで歩くこと
巡礼には決まったスピードも正解もありません。
早く歩く人もいれば、ゆっくり進む人もいます。
たくさん休憩を取る人(私)、休憩は最小限に留める人など、様々な考えや長距離歩行との向き合い方があります。
また、どうしても歩けない日があれば、バスやタクシーを使うこともできます。
実際にそうしている人もいましたし、「全部歩かないといけない」というわけではありません。
巡礼は競争ではなく、それぞれが自分なりの形で進んでいく旅。
体力に不安がある場合でも、工夫しながら進めば十分に歩けます。
②実際につらかったこと【実体験】

スペイン巡礼は最高の旅ですが、実際に歩いてみると「思っていた以上に大変だった」と感じることは多々ありました。
この章では私にとって、実際に歩いてつらかったことをお伝えします。
実際につらかったこと
- 距離(毎日20km以上歩く生活)
- 暑さ・天候
- 足トラブル(マメ・痛み)
- 思った以上に多い上り坂
- 孤独を感じる瞬間
- シャワー
- 食事
距離(毎日20km以上歩く生活)
巡礼でまず直面するのが、とにかく歩く距離が長いということ。
1日20km前後という距離は、普段の生活ではなかなか経験しませんよね。
それを毎日繰り返すとなると、かなりきついのは言うまでもありません。
特に私にとっては、毎日ゴールが遠く感じていました。
途中で残りの距離がどのくらいかをチェックし、絶望していたのは毎日のお決まり。
ただ、歩いているうちに距離感には少しずつ慣れていきます。
最初は長く感じていた道のりも、いつの間にか「これくらいなら歩ける」と思えるようになっていくし、今で大体〇km歩いたなって感覚がつかめてくるのが不思議でした。
暑さ・天候
私が歩き始めた5月中旬から下旬にかけては、朝晩寒く日中にかけて暖かくなることが多かったです。
寒いのも辛いですが、5月末から6月中旬は暑さと日射しがキツイ日も多く、こまめな日焼け対策はマストでした。
日陰が少ない区間では、ただ歩くだけでもかなりの負担に。
日焼け対策だけでなく、水分補給をこまめにしないと、体がしんどくなります。
「6月でこの状態なら7、8月はさらに厳しいだろうな」と思いながら歩いていました。
逆に、雨の日も厄介でした。
ポンチョは肌に貼りつくし、フードで視界が狭まり歩きづらいし、フードを被っているのに雨水で髪の毛が顔に貼りつくし...
天候は自分ではどうにもできない部分だからこそ、振り回されている感がありました。
足トラブル(マメ・痛み)
巡礼で多くの人が経験するのが、足のトラブルです。
長距離を歩き続けることで、マメができたり、足の裏や指に痛みが出たりします。
私の場合、中盤で違和感をおぼえ、そのまま無理をしたことで悪化しました。
足が痛い状態で歩くのは想像以上につらく、一歩一歩進んでいるのが奇跡に感じたほど。
特に私の場合、靴選びに失敗したため、砂利道や下り坂では衝撃が大きく、痛みが強く出ました。
ただ、こまめな対策や早めのケアをすれば防げるので、靴や靴下の選び方、足のケア、テーピング、休憩の取り方などは事前にチェックしておきましょう。
私が靴選びに失敗したエピソードと、どんな靴がおすすめかをまとめた記事もあるので、参考にしてくださいね。
続きを見る
参考スペイン巡礼 | 2,900円の靴で780km歩き大失敗した話。おすすめの靴は?
思った以上に多い上り坂
巡礼ルートは平坦な道ばかりではありません。
私はこの点がすっぽり抜けていたため、思っていた以上に上り坂が多くて何度も苦戦しました。
特に朝から長い上り坂が続く日は、「まだこんなにあるのか」と感じることもあり、精神的にしんどい。
距離以上に「高低差」が疲労に直結していました。
ただ、上りきった先に広がる景色は本当にきれいで、その瞬間に救われることも多かったです。
▽スペイン巡礼1日目のピレネー越えで見た景色

つらさと達成感がセットになっているのが巡礼と覚えておくとよいでしょう。
1日目のピレネー越えがどれだけ辛いかを綴った日記もあるので、参考にしてくださいね。
続きを見る
参考スペイン巡礼1日目、サン・ジャンからロンセスバージェスへ|ピレネー越えの過酷なスタート
孤独を感じる瞬間
巡礼は多くの人が歩いているとはいえ、常に誰かと一緒にいるわけではありません。
タイミングによっては一人で長い時間歩くこともあります。
特に景色が単調な区間や人が少ない道では、ふと孤独を感じる瞬間もあるでしょう。
私は歩くのが遅かったため、早朝に出発するようにしていました。
巡礼者がほとんどいない時間帯に孤独を感じるかもしれませんが、そういう時間はひたすら自分と向き合う時間にしていました。
人生とのこと、前年に経験した辛い出来事について向き合い、自分との対話を重ねたのです。
その結果、あんなにずっと悶々としていた気持ちが巡礼数日で晴れ晴れとした気持ちに。
自分と対話しているときは孤独を感じませんでしたが、歩くのが辛すぎて自分との対話がムリだったときに孤独を感じました。
また、仲良くなった人と別れるときも少し寂しさを感じます。
巡礼では出会いと別れが繰り返されるため、そのたびに気持ちが揺れることもありました。
特に仲良い人との別れは本当に寂しかったです。
シャワー
アルベルゲは基本的に共同生活のため、シャワーも共有になります。
混雑している日は順番待ちになることもあり、疲れているときには少しストレスでした。
また、
・温度調整がうまくいかない
・水圧が弱い
・壁や床に髪の毛がベターっとついている
・シャワールームが狭すぎて、シャワーカーテンが身体に付く
などが個人的にはつらかったです。
できれば熱くて強い水圧でシャワーを浴び、スッキリするというのが理想でしたが、そういう経験はあまりなかったほど。
とはいえ、どんなにつらいシャワーでも、服を着替えてシャワールームを出ると「嫌なことが終わった」達成感も含め、気持ちはさっぱりしていました。
スペイン巡礼でのシャワー事情についてまとめた記事もあります。
読むとシミュレーションできるので、ぜひご覧ください。
-

参考スペイン巡礼シャワー事情。アルベルゲにシャンプーやボディソープはある?
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食事
食事についてつらかったのは主に2パターン。
まずは食事の時間。
スペインの食事時間は日本と違い、夕食が遅かったり、店が閉まっている時間帯があったりします。
シエスタといって、14時~17時頃はお店の人が昼食や仮眠を取る時間を設けており、営業していないことも。
というわけで、タイミングによっては食べる場所が限られていたり、軽食しか食べれなかったりしたこともありました。
次に、食事の内容が偏ること。
パンやパスタが中心になり、最初は美味しく感じても少しずつ飽きてきました。
何よりも札幌では食べたいものがあれば、比較的自由に食べられます。
ラーメンが食べたかったらラーメン屋に行けばいいし、定食が食べたければ定食屋がある。
スペイン巡礼では食べたい物が食べられないストレスを感じていました。
それでも、アルベルゲによってはコミュニティディナーが出るところもあり、そこではしっかり食べられました。
また、バルでの食事は楽しみのひとつでもあります。
大きな街で仲間と一緒に食べる時間は、つらさを忘れさせてくれる大切なひとときでした。
③途中で歩けなくなったらどうする?

スペイン巡礼を考えている人の中には、「途中で歩けなくなったらどうしよう」と不安に思う方も多いでしょう。
長距離を歩く旅なので、
・体調を崩す
・足を痛める
などして、思うように進めなくなる可能性は誰にでもあります。
実際に現地でも、サクサクと私を追い越し涼しそうな顔をして順調に歩いていた人が途中でペースを落としたり、休んだりする姿を何度も見ました。
ただし、巡礼にはいくつもの選択肢があります。
無理して歩き続ける必要はないし、「こうしなければいけない」という決まりもありません。
ここではもし途中で歩けなくなった場合に、どんな選択肢があるのか見ていきましょう。
途中で歩けなくなったら?
- 体調が悪いときは無理しない
- バスや電車で移動する人もいる
- 数日休んで再スタートする人もいる
- 1日の距離を短くする
- 巡礼は「完歩だけが正解ではない」
体調が悪いときは無理しない
無理をしないこと、これが一番大事。
巡礼では「せっかくここまで来たから」「みんな歩いているから」と、自分を追い込んでしまいがちです。
でも体調が悪い状態で無理をすると、結果的に悪化してしまい、もっと長く休まなければならなくなることもあります。
私自身も咳に苦しんでいましたが、幸い咳だけだったので、少し無理をした日もありました。
これで本格的に体調が悪くなったら、休まざるを得なかったかもしれません。
巡礼は一日で終わらないため、思い切って「今日は休む」ということも選択肢の1つに加えるのがおすすめ。
回り道に感じるかもしれませんが、無理がたたって何日も休むよりも、結果的にゴールへの最短の道になるでしょう。
バスや電車で移動する人もいる
意外に思うかもしれませんが、巡礼中にバスや電車を使う人もいます。
※なにせ「馬で巡礼する」という選択肢もあるくらいですから。やっている人はいなかったけど
・足を痛めたとき
・体調が優れないとき
・どうしても距離を調整したいとき
などに交通機関を利用するのも1つの手。
「フランスの道は中盤に単調な景色が続くみたいだから、そこでバスを使おうかな」と言っている人もいました。
「全部歩かないと意味がないのでは」と思うかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。
人それぞれ考え方が違いますが、自分の体と相談しながら進むことの方が大事。
だって自分の体の状態は自分が一番よく知っているから。
注意ポイント
フランス人の道の場合、サリアからは2か所スタンプを押さないと巡礼証明書がもらえないというルールがあります。
スタンプについても考慮して公共交通機関を利用しましょう。
数日休んで再スタートする人もいる
巡礼では、あえて数日間休む人もいます。
体調を整えるために同じ町に連泊したり、少し観光をしながらリフレッシュしたりすることで、また元気に歩き出すことができます。
「レストしたから元気いっぱい。今日は40km歩いてここまできたぜ!」という人がいて、度肝を抜いたのも思い出。
本当に色んな人がいるのがカミーノ。
その方法が良いかどうか、自分に合うかどうかはわからないですが、気になった街を観光しながらのんびり巡礼するのも良いですね。
注意ポイント
同じアルベルゲへの連泊は基本不可。
翌朝の8時には泊まったアルベルゲを出ないといけないので、そこから違う宿泊施設に泊まれば同じ街に滞在できます
1日の距離を短くする
高齢の方や体力に自信がない人は、1日の距離を短くして歩いている印象でした。
そのぶん日数は増えますが、無理せず自分のペースを守っているということですね。
それに、距離を短くすることでその街に早く到着でき、ゆっくり観光できます。
残念ながら、距離を短く歩く方とはどうしてもペース配分が異なるので、一期一会になることが多かったんですが、巡礼スタイルは千差万別。
自分に合う歩き方を見つけてほしいなと思います。
巡礼は「完歩だけが正解ではない」
多くの人が「最後まで歩ききること」を目標にしますが、巡礼の価値はそこだけではありません。
途中までしか歩けなかったとしても、その過程で感じたことや出会った人たちとの時間は、ずっと心に残っているもの。
それぞれが自分の目的やペースで歩いていて、それを尊重する空気があります。
だからこそ、「完歩できるかどうか」にとらわれすぎなくて大丈夫。
それに、どうしても心残りなら、リタイアした地点からリベンジも可能。
クレデンシャル(巡礼手帳)に期限はないので、いつでも続きができます。
④それでもスペイン巡礼を歩いてよかった理由

ここまで読んでわかるとおり、スペイン巡礼は楽な旅ではないですし、大変な場面も確かにありました。
それでも、多くの人が「また歩きたい」と言うのは、それ以上に得られるものがあるからです。
私自身も歩いている最中は「つらい」連発でしたが、終わってみると「歩いてよかった」と自然と思えたのです。
巡礼してよかった理由を挙げてみました。
巡礼してよかった理由
- 人の優しさにたくさん触れられる
- 1日ごとに達成感が得られるため、夜にはその辛さが吹き飛ぶ
- 毎日違う景色に出会える
- 世界中の巡礼者と友達になれる
- 歩くことで世界が広がる
- ビールとワインが安い
人の優しさにたくさん触れられる
巡礼で一番印象に残っているのは、人の優しさです。
道に迷っていたときに声をかけてくれたり、何気ない会話をしたり、困っていると自然と助けてくれる人がいます。
日本ではなるべく人に頼らず生きていきたい派の私ですが、この旅では本当に色んな人に助けてもらいました。
返しきれないくらいの恩をいただいたのです。
それに、言葉が通じなくても笑顔やジェスチャーで通じることも多く、人との距離がとても近く感じられました。
アルベルゲで同じテーブルを囲んで食事をしたり、洗濯をしながら話したり...。
何気ない時間の中にも、たくさんの出会いがありました。
日常生活ではなかなか感じることのない、人の温かさに触れられるのは、巡礼ならではの魅力だと思います。
▽信じられないほどの優しさに触れた日の日記
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参考スペイン巡礼8日目、ログローニョからナヘラへ|短いはずの1日が忘れられない29kmに
1日ごとに達成感が得られるため、夜にはその辛さが吹き飛ぶ
歩いているときは確かに辛いんです。
・まだ半分も歩いていないのに、こんなに疲れてしまった
・あと10kmもある。足痛い
・あぁもうムリ
・こんなん毎日やってられんわ
・もう二度と巡礼はしない
なんて心の中で文句タラタラなんですが、目的地に到着すると「頑張った私、マジで偉い!」という達成感と自画自賛モードに突入します。
そしてシャワーでその日の汗や埃を洗い流すと心もスッキリ。
なんなら歩き疲れているはずなのに、観光もできちゃう不思議。
夜ご飯でビールを飲む頃にはなぜか「明日は25km?まぁいけるっしょ」なんて思ってしまうんです。
で、また翌日は「辛い辛い」を繰り返すんですけどね。
それを証拠に、「もう二度と巡礼はしない」なんて思っていた私ですが、巡礼の8か月後には熊野古道を歩きました。
毎日違う景色に出会える
巡礼では毎日歩く場所が変わるため、同じ日はひとつもありません。
確かに「単調な景色だな」と思うこともあるんですが、
・広い大地が広がる場所
・小さな村を抜ける道
・森の中を歩く区間
・広大な畑
・風にたなびく草原
など、さまざまな景色に出会います。
個人的には、静かな空気の中で朝日を浴びながら歩く時間や、のどかな田舎道の風景はとても印象に残っています。
つらいと感じていた瞬間でも、絶景に癒されることが多々ありました。
歩くからこそ見える景色、辛くても坂を上ったからこそ見える絶景があり、それが目に焼き付いています。
世界中の巡礼者と友達になれる
スペイン巡礼には、世界中から人が集まります。
年齢も国籍もバラバラで、バックグラウンドもまったく違う人たちが、同じ道を歩く...。
最初は知らない人同士でも、何度も顔を合わせるうちに自然と会話が生まれ、気づけば一緒に食事をしたり、歩いたりするようになります。
数日一緒に過ごしただけでも、強い絆が生まれるのが巡礼の不思議でもあり魅力的なところ。
別れるときは少し寂しさもありますが、その分、出会いの価値を強く感じることができました。
私にとって巡礼で出会った友達は、家族のような存在でもあり、かけがえのない財産です。
歩くことで世界が広がる
毎日歩き続ける中で、少しずつ考え方やモノの見え方が変わっていきました。
・辛いのに歩くのが楽しいと思えるように
・ピレネー越えを乗り越えたのだから、日常の小さなストレスにも耐えられそう
・普段の生活では気づかないような小さなことに目が向くように
・帰国したら色々頑張るぞ!
他にも心の奥底にある醜い感情の浄化など、良い意味で変われた面もあります。
巡礼は単なる旅ではなく、私にとっては自分自身と向き合う時間でもありました。
ビールとワインが安い
私にとってめちゃくちゃ救われたのがビールとワインの安さ。
スペインではビールやワインがとても安く、食事と一緒に気軽に楽しめます。
特に歩き終えたあとの一杯は格別。至福のひと時。
その日の疲れが一気に軽くなった感覚になります。
仲間と一緒に乾杯した時間はとても良い思い出。
こうした小さな楽しみがあったからこそ、毎日の巡礼生活にメリハリが生まれ、「また明日も歩こう」と思える原動力になっていました。
注意ポイント
特に安いのがスーパー。
しかし、ビールは冷えていないことも。
冷えてないビールを飲むことが何度かありました。
キンキンに冷えたビールを飲むこだわりは、巡礼では捨てましょう。
⑤スペイン巡礼の「つらさ」を減らすコツ

スペイン巡礼は確かに大変な旅なんですが、日本でしっかり準備することと、現地での工夫でだいぶ変わってきます。
実際に歩いていたとき、「同じ道を歩いているのに、人によって辛さがまったく違う。なぜ皆はこんなに涼しい顔で歩いているんだろう」と、よく思っていました。
そして己の準備不足を嘆いたのです。
というわけでこの章では、実際に歩いて学んだ「つらさを減らすコツ」をお伝えします。
つらさを減らすコツ
- 荷物を軽くする
- 靴選びを妥協しない
- 自分のペースで歩く
- 体調管理を意識する
- 仲間と歩く
荷物を軽くする
まず私が失敗したのが荷物の重さ。
巡礼の快適さを一番左右するのは荷物の重さと言ってもいいくらい、重要な部分です。
最初は「念のため」と思っていろいろ持っていきたくなりますが、そのすべてを毎日背負って歩くことになります。
加えて私はノートパソコンを持参。
本来なら体重の10分の1の重さが理想と言われるなか、私のバックパックは11kg。
ほんの1kg、いや1gの差でも、長距離を歩く中では大きな負担になります。
実際に歩いてみると、11kgが肩にのしかかり、肩が痛い。
ただでさえ長距離を歩いて足が痛いのに、そのうえ肩も痛いなんて。
というわけで、荷物はできるだけ軽くすること。
それだけで歩くときの疲れ方が大幅に変わります。
現に巡礼の失敗を活かし、8か月後に歩いた熊野古道では11kg→6kgと大幅に減量。
するとどうでしょう。
肩の痛みは全くありませんでした。
荷物の軽さで巡礼はだいぶ楽になると身をもって知った瞬間でした。
スペイン巡礼での荷物について、持っていったけど要らなかった物などを含め、まとめた記事もあります。
ぜひ参考にしてくださいね。
-

参考【実体験】スペイン巡礼の持ち物完全ガイド|本当に必要だった物・不要だった物
続きを見る
靴選びを妥協しない
巡礼の中で最も重要な装備のひとつが靴。
どれだけ景色が良くても、素敵な人との出会いがあっても、足が痛いとそれだけで一日がつらくなってしまいます。
実際に、靴が合わずに途中で歩けなくなってしまった人も見てきました。
そして私は荷物に続き、靴でも大失敗をしたのです。
ロングウォークや山道に強い靴を選ぶべきところ、私が選んだのは2,900円の靴。
おかげでめちゃくちゃ足が痛くなりました。
とはいえ仮に巡礼に合う靴を買うにしても、
・自分の足に合うものを選ぶ
・事前にしっかり履き慣らしておく
この2つはマストで行いましょう。
2,900円で何が、どのように大失敗したかについては、下の記事に詳しくまとめています。
続きを見る
参考スペイン巡礼 | 2,900円の靴で780km歩き大失敗した話。おすすめの靴は?
自分のペースで歩く
巡礼ではどうしても周りの人と比べて焦ることがあります。
特に私は歩くのが遅かったので、多くの人に追い越されました。
すると、「ヤバい、私も早く歩かなきゃ。皆が同じ目的地だとしたら、宿がなくなるかもしれない」と焦るわけです。
・もっと速く歩かなきゃ
・あの人はもうあそこまで行っている
そんなふうに思ってしまうかもしれません。
でも実際には、巡礼に正解のペースはありません。
私を追い越した人たちが全員同じ目的地とは限らないし、なんだかんだアルベルゲも確保できました。
不安だったら事前にアルベルゲに連絡して予約しておけばいいんです。
※予約不可のアルベルゲもあるのでそこは要注意
何よりも無理に速く歩こうとすると、疲労がたまりやすくなり、結果的に体調を崩したり、足を痛めたりする原因になります。
一方で、自分のペースを守っている人は、安定して長く歩き続けている印象でした。
無理せず自分のペースで歩くのが、ゴールの秘訣でもあります。
体調管理を意識する
巡礼は長期間続く旅なので、体調管理にも気をつけなければいけません。
そしてアルベルゲは大部屋に大人数が泊まることも多いため、体調を崩しやすいです。
私も咳に悩まされました。
たまにお腹の違和感も。
しかし、それ以上悪化することなく、毎日歩き続けられたのが幸い。
実際に熱を出して病院へ行っている方もいました。
また、病気だけでなく、ケガにも気を配らないといけません。
特に足の痛みや疲労は、早めに対処することで大きなトラブルを防げます。
「今日は少し疲れているな」と感じたら、
・距離を短くする
・休憩を増やす
など、微調整をしてあげてください。
特に距離を短くするのは心理的にもだいぶ楽になります。
また、水分補給や食事も意識しましょう。
長く歩いていると、タンパク質や塩分など、自分に必要な栄養素を身体で感じられるのが不思議でした。
欲したモノを摂取してあげてくださいね。
仲間と歩く
巡礼は一人でも歩けますが、誰かと一緒に歩くことで、つらさが軽くなります。
会話をしながら歩くと、楽しくて時間と距離があっという間に過ぎ、気持ちが楽になります。
疲れているときでも、隣に誰かがいるだけで安心感も。
また、困ったときに助け合えるのも大きなメリットに。
情報を共有したり、ペースを合わせたりすることで、無理なく進むことができます。
もちろん、ずっと一緒にいる必要はありません。
自分のペースを大切にしながら、必要なときに一緒に歩く。
そのくらいの距離感がちょうどいいと感じました。
⑥それでも不安な人へ伝えたいこと

ここまで読んでも、「やっぱり自分にできるのかな」と不安に思う方もいるかもしれません。
スペイン巡礼が簡単ではないのはここまで説明してきました。
だからこそ、不安を感じるのはとても自然なことでしょう。
それでも実際に歩いてみて思うのは、「完璧じゃなくても大丈夫だった。なんとかなった」です。
この章では、これから巡礼を考えている方に伝えたいことを、素直な気持ちで書いておきます。
不安な人へ
- 完璧に歩こうとしなくていい
- つらさも巡礼の一部
- 一歩ずつ歩けば必ず進む
完璧に歩こうとしなくていい
巡礼を考えるとき、「最後まで歩ききらなきゃ」「途中でやめたら意味がない」と思ってしまうことがあります。
でも実際には、途中で休む人もいれば、バスを使う人もいます。
日程を短くする人もいれば、ゆっくり時間をかけて歩く人も。
それぞれが自分のペースで巡礼をしていて、それが自然なこととして受け入れられていました。
完璧にやろうとすればするほど、プレッシャーになってしまいます。
少し肩の力を抜いて、「できる範囲でやってみよう」くらいの気持ちで臨むと良いでしょう。
つらさも巡礼の一部
巡礼には楽しいことだけでなく、つらいと感じる瞬間も必ずあります。
・足が痛い日もあれば、思うように進めない日もある
・天気に振り回されたり、気持ちが落ち込んだりすることもある
・出会いがあれば別れもあり、寂しくなる
でも、その一つひとつが巡礼の一部でした。
後から振り返ると、不思議なことに、つらかった出来事ほど印象に残っています。
そして、それを乗り越えたからこそ見えた景色や出会いが、より特別な思い出として昇華されました。
つらさを避けることよりも、その中で何を感じるか。
それが巡礼の価値なのかもしれません。
一歩ずつ歩けば必ず進む
どれだけ長い距離でも、やることはひとつだけ。
それは一歩ずつ前に進むこと。
私も最初は「780kmって!」と思っていました。
でも実際には、780kmを意識して歩いたわけではなく、その日の目標距離を達成するために、一歩ずつ歩いていただけでした。
一歩ずつを20km以上歩くと聞くと、途方もなく思えるかもしれません。
でも一歩一歩すすんだことで、毎日必ず目的地に着くことができ、結果780km先のサンティアゴ・デ・コンポステーラへたどり着けました。
だからもし迷っているなら、まずは最初の一歩を踏み出してみてください。
あなたのペースで進めば、それがそのまま巡礼になります。
まとめ

スペイン巡礼はたしかに楽な旅ではありません。
毎日長い距離を歩き、暑さや雨にさらされ、足と肩が痛くなります。
思うように進めないこともあれば、「今日はもう歩きたくない」と感じる瞬間も多々。
それでも多くの人が歩き、そして歩き終えたあとに「行ってよかった」と思えてしまうので不思議。
それはつらさを経験したからこそ見える絶景や、うまくいかない日があるからこそ、人の優しさや何気ない時間が深く心に残る。
スペイン巡礼は、そういう旅なのだと知りました。
不安や迷いがあるのは当然のこと。
ただ、体力に自信がなくても、完璧に準備できていなくても、最初の一歩は踏み出せます。
大切なのは誰かと比べることではなく、自分のペースで歩くこと。
想像より歩けなかったからと落ちこまなくていいし、途中で立ち止まっても大丈夫。
一歩ずつ歩けば、ちゃんと前に進んでいきます。
そしてきっと歩き終えたときには、出発前には想像していなかった景色が見えているはずです。
これからスペイン巡礼を歩く旅が、無理をしすぎず、自分らしいものになりますように。
Buen Camino!
あわせて読みたい
▼読んでいただきありがとうございます


