こんにちは、haggyです。
スペイン巡礼へ行く前、「人生が変わる旅」という言葉を何度も見聞きしました。
「本当に変わるのかなぁ?でも変わったらいいな」と半信半疑、でもちょっぴり期待を込めてフランス人の道を歩き始めたのを覚えています。
実際スペイン巡礼を無事に終えましたが、思ったほど人生が劇的に変わったわけではありません。
幸運がもたらされるわけではないし、巡礼きっかけで大金を生み出すこともなかったです。
でも、考え方や価値観は確実に変わりました。
・世界中の巡礼者との出会い
・人の優しさに何度も助けられた
・毎日ひたすら歩く中で悩みが少しずつ整理されていった
などのおかげです。
それに、食のホームシックや慣れないアルベルゲ生活を経験したことで、日本に帰ってからは日常にも感謝できるように。
この記事では、32日間スペイン巡礼を歩いて私が得たものや気づいたことをまとめています。
これからスペイン巡礼へ行く方はもちろん、「巡礼を歩くと本当に人生は変わるの?」と気になっている方の参考になれば嬉しいです。
スペイン巡礼を経験して
これまで自分が人に助けてもらうなんて「甘え」だと思っていた。
でも見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあった。
そして私はポンコツすぎた。。。
2025年5月~6月、スペイン巡礼にてフランス人の道を歩きました。
フランスのサン=ジャン=ピエ=ド=ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、その距離約780km以上。
日々限界を超えて歩いていくなかで、多くの失敗をし、泣きたくなる出来事に遭遇し、でもそれ以上の喜びと楽しさ、感動を味わいました。
毎日が宝物のような日々。
人生観すら変える旅だったからこそ、日記では嘘偽りなく全てをぶつけたい。
汚い体験・嫌な思い出・準備不足だったことも全て包み隠さず。
・海外旅行の体験談を読みたい方
・スペイン巡礼がどんなのか知りたい方
・スペイン巡礼をしようか迷っている方
が楽しめて参考になるように日記を綴っていきます。
スペイン巡礼で人生は変わるのか?

「スペイン巡礼へ行くと人生が変わる。」
これについては実際に32日間歩きましたが、人生が劇的に変わることはありませんでした。
それでも、考え方や価値観は確実に変わったのです。
この章では「人生が変わる」について出発前から完歩するまでの気持ちの移り変わりをまとめています。
スペイン巡礼、人生は変わる?
- 出発前、期待はしていなかった
- 巡礼中から少しずつ変化に気づいた
- 人生が劇的に変わったわけではない
- でも確実に考え方は変わった
出発前、期待はしていなかった
私は、人生を変えたくてスペイン巡礼へ行ったわけではありません。
歩くことで、これまで抱えていた負の感情をクリアにできればいいと思っていました。
とはいえ、「人生が変わる」と聞くと、それ以上の何かを期待してしまう欲深い私。
「ないない」と思いつつも、
「あわよくば何か人生が劇的に変わって大金を得られるのではないか?
運がつけば嬉しいな」
とはほんのり思っていました。
冷静な気持ちが9割、よこしまな感情が1割といったところでしょうか。
巡礼中から少しずつ変化に気づいた
私の場合、体力の無さと登山の経験不足もあり、初日からフランス人の道のルートに苦しめられました。
限界を超えて歩き続ける過酷な日々を過ごしていくうちに、少しずつ考え方に変化が見え始めたのです。
今まで抱えていた悩みやモヤモヤが整理されていきました。
割と巡礼の前半で吹っ切れたのを覚えています。
その際の日記はこちら。
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参考スペイン巡礼6日目、エステーリャからロス・アルコスへ|独り歩き21kmで見えた心の変化
続きを見る
それに世界中から集まった巡礼者と話し、困ったときには自然と助け合ったことも良い経験でした。
「人生が変わった」と感じたというより、物事の捉え方が少しずつ変わっていったという方が近いかもしれません。
人生が劇的に変わったわけではない
巡礼の翌日、突然別人になったわけではありません。
仕事も生活も、これまで通り。
歩いたからといって運が良くなったり、大金を得たりしたわけでもありません。
スペイン巡礼は魔法ではないし、歩けば人生が一変するというものではないと思います。
でも確実に考え方は変わった
それでも、巡礼前の自分と巡礼後の自分は、だいぶ変わりました。
人と比べなくなったし、小さな幸せに気づけるようになった。
それに、やりたいことは先延ばしにせず挑戦してみようと思えるようになった。
そして、困っても「何とかなる」と前向きに捉えるようになった。
一つひとつは小さな変化ですが、だいぶ変わったなぁと思っています。
もちろん良い意味で。
人生そのものが変わるわけではない。
でも、考え方は確実に変わる。
それが、32日間歩いた私の答えです。
出会いは一生の財産

この章からは私がスペイン巡礼中、もしくは巡礼後に得たものや気づいたことを紹介していきます。
まずは出会いから。
スペイン巡礼を歩いて一番良かったことは何かと聞かれたら、私は迷わず「人との出会い」と答えます。
もちろん、美しい景色や達成感も忘れられません。
でも、それ以上に心に残っているのは、32日間で出会ったたくさんの巡礼者たちです。
年齢も国籍も職業も違う人たちと、同じ目的地を目指して歩く。
その経験は、これまでの旅行では味わえない特別なものでした。
スペイン巡礼、出会い
- 世界中に友達ができた
- また会おうと言える仲間ができた
- 巡礼が終わってもつながっている
世界中に友達ができた
巡礼路には、本当に世界中から人が集まってきます。
韓国、台湾、アメリカ、カナダ、ドイツ、イタリア、オーストラリアなど、日々さまざまな国の巡礼者と出会いました。
歩きながら会話をして仲良くなり、一緒に食事をしたり、休憩したりしたのも良い思い出。
時にはスマホで音楽をかけながら歌うこともありました。
日本で普通に生活していたら出会うことのなかった人たちと友達になれたことは、スペイン巡礼ならではの魅力。
ちなみに、「日本人はいないの?」と思った方は、下の記事をご覧ください。
日本人とのエピソードや国際交流の話をまとめています。
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参考スペイン巡礼で日本人は珍しい?カミーノ国際交流、リアル体験談
続きを見る
また会おうと言える仲間ができた
長い距離を共に歩き、お互いの話をしていくうちに、絆は深まっていきます。
途中、何度か別れもありましたが、
「今度はお互いの国で会おうね!」
そんな約束が自然とできる関係になれたことは、私にとって大きな財産です。
巡礼が終わってもつながっている
巡礼が終わると、皆自分の国へ帰っていきます。
でも、そこで終わりではありません。
Instagramで近況を見たり、メッセージを送り合ったり、今でも交流が続いている巡礼仲間がいます。
正直、国へ帰り、それぞれが日常を再開すれば、皆巡礼への気持ちが薄れるのではないかと不安でした。
私の場合、留学がそうだったからです。
留学時代はまだSNSが発展する前だったので、Eメールのやり取りのみで、あっけなく疎遠になってしまったのです。
しかし、巡礼を人生の中でも特別な出来事と捉えている人が多く、皆当時の仲間を大事に思っています。
SNSがその一助となっているのは間違いないでしょう。
写真や動画で今どんな生活をしているかがわかるので、身近に感じられます。
それに、「こんにちは、元気?」から始まる長文のメッセージを送らなくても、イイねや「美味しそう!」「景色キレイだね!」という気軽なやり取りができます。
私にとって、「またいつか会いたい」と思える人たちに出会えたことは何よりの宝物。
みんなに会うことが、生きるモチベーションにもなっています。

上の写真は、韓国ガールが札幌に友達を連れて遊びに来てくれたときのもの。
札幌出身のカミーノフレンド・韓国ガール・私の他に、韓国ガールの友達・私の夫も交えて。
こうして新たな関係が始まっていくのも楽しいですね。
スペイン巡礼は、一人で歩き始めても、一人で終わる旅ではありません。
私はこの巡礼を通して、一生付き合っていきたいと思える仲間と出会えました。
人に優しくできるようになった

続いて私がカミーノで気づいたことは、人への思いです。
巡礼中、何度も人の優しさに触れました。
困っている人がいたら声をかける。
重い荷物を持っていたら手伝う。
そんな光景が毎日のようにありました。
人に優しくなった
- 助け合うのが当たり前の文化
- 小さな親切の大切さ
- 日本でも行動が変わった
助け合うのが当たり前の文化
カミーノ関連の記事の冒頭「スペイン巡礼を経験して」にも書いていますが、見返りを求めない優しさがそこらじゅうにあるんです。
そのくらい巡礼路では、「困ったときはお互い様」という空気が流れていました。
・誰かが足を痛めていれば心配して声をかける
・持っている食べ物を分け合う
・困っていることがあれば助ける
私自身、装備も体力もなにもかもがポンコツすぎたので、恐縮してしまうほどたくさんの人に助けてもらいました。
特に巡礼8日目、友達からの助けがなければサンティアゴ・デ・コンポステーラへたどり着けなかったかもしれません。
何があったかは、下の日記をご覧ください。
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参考スペイン巡礼8日目、ログローニョからナヘラへ|短いはずの1日が忘れられない29kmに
続きを見る
逆に自分が誰かを手伝うこともありました。
見返りを求めるのではなく、困っている人がいたら自然と手を差し伸べる。
これまで「助けは甘え」と思っていた自分にとって、カミーノでの優しさは衝撃でした。
小さな親切の大切さ
巡礼では、大げさなことではなく、小さな親切がとても嬉しく感じます。
「Buen Camino!」
一言声をかけてもらうだけで元気が出たり、先に歩いていた人がドアを押さえて待っていてくれたり。
疲れているときほど、そうした何気ない優しさが心に残ります。
だから私も「Buen Camino!」は、どんなに疲れていても満面の笑みで言うように心がけていました。
巡礼中は、誰かに親切にしてもらったら、次は自分が別の誰かに返そうという気持ちになったのを覚えています。
日本でも行動が変わった
日本へ帰ってきてから、自分でも少し変わったなと思うことがあります。
以前よりも、困っている人を見かけたら自然と声をかけたり、小さなことでも手を貸したりするようになりました。
スペイン巡礼でたくさんの優しさを受け取ったからこそ、意を決して親切にするのではなく、当たり前のことだと思うようになったのです。
人に優しくすることは、特別なことではありません。
ほんの少しの思いやりでも、相手にとっては忘れられない出来事になることがあります。
それを教えてくれたのも、スペイン巡礼で得た大切な学びの一つでした。
それに、挨拶もBuen Camino!と満面の笑みでしていたように、日本でもするようになりました。
これまでのモヤモヤや悩みの昇華

スペイン巡礼へ行く前、私は仕事のことやこれからの人生のことなど、いろいろなモヤモヤを抱えていました。
加えて、失った家族や友達への喪失感も抱いており、中々負の感情から抜け出せていない時期だったのです。
巡礼中、一人で歩いているときはとことん負の感情と向き合いました。
そして、歩き続けるうちに、気持ちが変わっていったのです。
モヤモヤや悩みの昇華
- 毎日歩くことで頭が整理された
- 「何とかなる」と思えるようになった
- 悩みを抱えなくなった
毎日歩くことで頭が整理された
スペイン巡礼は、毎日何時間も歩きます。
仕事の連絡が来ることもなく、一人で歩くときは黙々とただひたすら自分との対話。
上り坂や足・肩の痛みと闘いながらも、広大な景色に感動していくうちに、頭が整理されていったのです。
「何とかなる」と思えるようになった
32日間の巡礼では、予定どおりにいかないこともたくさんありました。
宿がいっぱいだったり、足が痛くなったり、ノートパソコンが壊れたり...。
それでも、その都度どうにか乗り越えてきました。
そんな経験を繰り返すうちに、「何かあっても何とかなる」と思えるように。
以前の私は、起きてもいないことを心配して不安になることが多かったのですが、巡礼を歩いてからは、あまり考え込まなくなった気がします。
悩みを抱えなくなった
もちろん、巡礼から帰ってきた今でも悩みはあります。
人生から悩みがなくなったわけではありません。
でも、一人で抱え込んで苦しくなることは少なくなりました。
「今できることをやって、それでもダメならそのとき考えよう。」
そんなふうに気持ちを切り替えられるようになったのです。
私にとってスペイン巡礼は、人生を歩きやすくしてくれた大きな変化だったと感じています。
これからの人生への希望

スペイン巡礼を歩いて、「人生が変わった」と言うと少し大げさかもしれません。
でも、人生に対する考え方は、間違いなく前向きになりました。
人生への希望
- 色んなことがしたいと貪欲になった
- これからの人生への自信になった
- 韓国語の勉強を始めた
- 犬を飼い始めた
色んなことがしたいと貪欲になった
巡礼では世界中の人と出会い、それぞれが自分らしい人生を楽しんでいる姿をたくさん見ました。
年齢を理由に挑戦を諦めている人はほとんどいません。
実際、高齢者の巡礼者もたくさん見かけたほどです。
キラキラした目で自分のことを話す人たちと過ごすうちに、「私ももっといろいろなことに挑戦したい」と思うように。
旅行だけではなく、新しいことを学んだり、経験したりすることに対して以前より貪欲になりました。
これからの人生への自信になった
約780kmを自分の足で歩き切ったという経験は、大きな自信になりました。
一歩ずつ歩き続けた結果ゴールでき、心から「よくやった自分!!これを成し遂げたら、きっとこれからの人生なんでも挑戦できる!!!」と思えたのです。
自己肯定感が低い私にとって、巡礼は、これから先の人生でも支えになる経験だったと思っています。
韓国語の勉強を始めた
巡礼から帰国した後、新しく始めたことの一つが韓国語の勉強。
以前から興味はありましたが、ハングルがわけわからなすぎて、中々勉強のスタートを切れなかったのです。
巡礼でたくさんの韓国人の友達ができたのが大きなキッカケでした。
元々韓国ドラマと俳優が好きだったので、これを機に韓国語が読めて話せるようになりたい!と思うように。
流暢に話すのはまだまだ先ですが、ハングルが読めるようになりました。
看板の文字から何のお店なのかがわかるようになったのは、個人的に大きな進歩です。
犬を飼い始めた
もう一つ大きな変化が、犬をお迎えしたこと。
2年連続で看取ってから、「もう犬は飼わない」と決めていました。
海外へ住みたい欲もあったし、何より日々弱っていく高齢犬の介護が辛かった。
でも犬がいない生活は寂しくて、物足りない生活をしていたのも事実です。
そんななか巡礼で我が子への思いが昇華されたとき、「もう一度お世話したい。犬と生活したい」と思えたことから、巡礼の約1年後に子犬を迎えました。
巡礼で得た前向きな気持ちが背中を押してくれたのは間違いありません。
人と比べなくなった

スペイン巡礼を歩く前の私は、
・周りと比べて落ち込む
・「もっと頑張らなきゃ」と焦る
・「なんて自分はダメ人間なんだ」と自己嫌悪に陥る
ことがよくありました。
でも、巡礼で毎日たくさんの人と出会い、一緒に歩く中で気づいたことがあります。
それは、「人それぞれペースがあるし、比べても意味がない」ということでした。
人と比べなくなった
- 歩く速さは人それぞれ
- 自分のペースが一番大切
- 人生も同じ
歩く速さは人それぞれ
歩くペースや速さは本当に人それぞれ。
・朝5時に出発する人もいれば、ゆっくり朝食を食べてから歩き始める人
・1日に40km近く歩く人もいれば、15kmほどで宿に入る人
・スタスタ歩く人、私のようにノロノロ歩く人
私はとにかく歩くのが遅かったので、初日は「高齢者が私を追い越していく」と焦りました。
でも速く歩くことが正解ではないし、競争でもない。
自分との闘いなのです。
速く歩いても足を痛めてしまえば意味がありませんし、景色を楽しみながらゆっくり歩く人もいます。
自分のペースが一番大切
巡礼を続けるうちに、周りを気にすることが少なくなりました。
疲れたら休む。
景色がきれいなら立ち止まって写真を撮る。
歩きたい日はたくさん歩き、疲れている日は距離を短くする。
一人で歩きたいときは、仲間にその旨を告げて歩く。
など。
巡礼は、自分の体調や気持ちを優先して歩いてOK。
自分のペースが一番大切です。
人生も同じ
巡礼を終えてからも、この考え方は続いています。
仕事も、趣味も、人生そのものも、人と比べる必要はありません。
誰かより早く成功することが大切なのではなく、自分が納得できるペースで進んでいくことの方が大切なのだと思えるようになりました。
もちろん、今でも周りと比べてしまうことはあります。
そんなときは巡礼路で見た景色や出会った人たちを思い出すようにしています。
あの道には、速く歩く人も、ゆっくり歩く人もいました。
でも、みんな同じサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指して歩いていました。
人生もきっと同じ。
歩く速さは違っても、自分らしいペースで前へ進んでいけば、それで十分なのだと、スペイン巡礼が教えてくれました。
本当に必要なものは意外と少ない

スペイン巡礼を歩いて、身をもって実感したこと。
それは、人間が毎日を生きるために必要なものは、意外と少ないということです。
巡礼中は、必要なものをすべてバックパックに入れて、自分の足で運びます。
普段の旅行ならそこまで重さを気にしていませんが、巡礼では一つ増えるだけで毎日の負担に。
本当に必要なもの・なくても困らないものが見えていくうちに、人生も同じだと思うようになったのです。
本当に必要なもの
- 荷物は軽い方が楽
- 靴はちゃんとした物を履いた方がいい
- 必要だと思っていた物はいらなかった
- 人生も同じかもしれない
荷物は軽い方が楽
まずは肉体的な面から。
巡礼を歩くなら、荷物は軽くするのが正解。
これは精神論ではなく、本当にそう。
私のバックパックは11kgありました。
重いのは分かっていましたが、「なんとかなるだろう」と軽く考えていたのです。
実際になんとかなると思えたのは初日の2時間ほど。
以降は重い荷物に苦しめられることに。
肩や足に負担がかかるし、軽く考えていたことを後悔しました。
スペイン巡礼の持ち物について、必要な物・不要だった物も含めてまとめた記事があります。
ぜひ参考にしてくださいね。
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参考【実体験】スペイン巡礼の持ち物完全ガイド|本当に必要だった物・不要だった物
続きを見る
靴はちゃんとした物を履いた方がいい
荷物を減らすこととは別に、絶対にケチらない方がいいと思ったものがあります。
それが靴。
32日間、毎日長距離を歩くので、足に合わない靴を履いていると本当に大変です。
私は靴で大失敗しました。
足が痛くなると、歩くことそのものが苦痛になります。
せっかく美しい景色を見ながら歩いているのに、頭の中が
・あぁ足が痛い
・早くアルベルゲに着きたい
ばかり考えていることもありました。
巡礼では、「荷物は軽く、でも靴はしっかり選ぶ」。
これは私が身をもって知ったこと。
私が靴選びに失敗した理由と、巡礼におすすめの靴について語った記事はこちら。
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参考スペイン巡礼 | 2,900円の靴で780km歩き大失敗した話。おすすめの靴は?
続きを見る
必要だと思っていた物はいらなかった
出発前は、
・これもいるかも
・念のため持っていこう
と、いろいろなものを準備しました。
でも、いざ歩いてみると、ほとんど使わなかったものも。
毎日使うものは本当に限られていました。
普段の生活では物に囲まれて暮らしていますが、バックパック一つで何日も生活していると、「こんなに少ない荷物でも普通に生活できるんだ」と気づきます。
そして、不思議なことに、物が少ないことが不便ではありませんでした。
人生も同じかもしれない
荷物を軽くすることは、巡礼中だけの話ではないのかもしれません。
物だけではなく、仕事や人間関係、悩みなども、知らないうちにたくさん抱え込んでいませんか。
・これは必要
・こうしなければいけない
・こうあるべき
と思っているものの中には、実はなくてもいいものもあるなぁと感じたのです。
巡礼では、必要なものだけをバックパックに入れて歩きました。
そして、余計なものを手放すほど、身体も気持ちも楽になったのです。
人生も同じで、何でも抱え込むのではなく、本当に大切なものを残して、必要のないものは少しずつまたは思いきって手放していく。
以前は手放すことを逃げだと思っていた節がありましたが、「逃げではなく、自分を守るために必要なこと」と思えたんです。
だから今は辛くなりそうなときは、巡礼を思い出して気持ちを軽くできるようになりました。
身体の声を聞けるようになった

スペイン巡礼で、もう一つ大きく変わったことがあります。
それは、自分の身体が何を求めているのか、以前より分かるようになったことです。
毎日極限まで歩いていると、本当に必要な物が身体で分かるのです。
身体が極限になったら
- 極限になると身体が欲しいものがわかる
- アクエリアスが人生で一番おいしかった日々
- 冷えたビールのありがたみ
極限になると身体が欲しいものがわかる
普段の生活では、喉が渇けば水を飲み、お腹が空けば食事をする。
「そろそろ昼だから、何か食べとこうかな」
それくらいの感覚しかありません。
ところが、巡礼で長時間歩いた後は違いました。
汗をかき、体力を使い果たすと、身体が欲しがっているものがよく分かります。
私の場合、巡礼の前半は無性にタンパク質を欲していました。
これまでは「筋肉のためにタンパク質を摂っておかなきゃ」と義務感から摂取していました。
しかし、巡礼のときは身体の奥底からタンパク質を欲している感覚があったのです。
カフェでコーヒーを買うとき、ゆで卵があれば買う。
ゆで卵を食べると身体が喜んでいるのがわかるのです。
巡礼の中盤は気温が上がってきたせいか、塩分が欲しかったのを覚えています。
この感覚は巡礼以降ありませんが、いかに日常では限界まで体を動かしていないかがわかりました。
アクエリアスが人生で一番おいしかった日々
人生で一番アクエリアスがおいしかったのは、スペイン巡礼中です。
何時間も歩いて汗をかき、喉がカラカラになった状態で飲むアクエリアスは、まったく別物でした。
キンキンに冷えたアクエリアスがスーッと身体にしみ渡る感覚は、今でも覚えています。
高級なレストランの料理でもなければ、特別な飲み物でもありません。
ただのアクエリアスです。
でも、当時の自分にとっては最高のご褒美でした。
巡礼を歩いていると、「何でもないもののありがたさ」を何度も感じます。
冷えたビールのありがたみ
もう一つ忘れられないのが、歩き終わった後の冷えたビール。
クタクタになって、ようやく宿に到着する。
ドカっと横になってひと眠りしたいけど、体は汗と埃まみれ。
重い腰を上げ、荷物を整理し、シャワーを浴びて洗濯。
それが終わればやっと自由時間。
そして、冷えたビールを飲む。
これが最高でした。
スペイン巡礼では、こうした小さな幸せが毎日の楽しみになります。
おいしいものを食べること。
冷たいものを飲むこと。
シャワーを浴びること。
ベッドで横になること。
普段なら当たり前すぎて気にも留めないことが、極限まで疲れることで、ものすごくありがたく感じられるのです。
そして、身体の声に素直に耳を傾けることの大切さも、32日間の巡礼で学びました。
普段の生活では「もう少し頑張らなきゃ。なんて自分はだらしない人間なんだ」と身体の声を無視してしまうことがありましたが、今は無理しないでそういう自分も受け入れて休もうと思えるようになったのです。
小さな幸せに気づけるようになった

もう少し小さな幸せについて触れておきます。
スペイン巡礼を歩いていると、普段の生活では気にも留めないようなことが、とても幸せに感じられるようになります。
32日間、毎日歩いて、疲れて、眠って、また歩く。
時には不便さを感じながら生活をしていると、今まで当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではなかったことに気づきます。
小さな幸せ
- 温かいシャワー
- プライベートルームが最高すぎる
- ティント・デ・ベラーノが最高だった
温かいシャワー
長い距離を歩いて汗をかき、疲れ切った状態で宿に到着します。
靴を脱いで、荷物を整理して、シャワーを浴びる。
私は潔癖気味なので、壁にベッタリ付いている髪の毛にげんなりすることもあったけど...。
お湯が熱くならなくて震えながらシャワーを浴びることもあったけど...。
温かいお湯が身体に当たった瞬間、「ああ、気持ちいい」とホッとします。
日本にいると、温かいシャワーなんて当たり前です。
蛇口をひねればお湯が出て、好きなだけシャワーを浴びられる。
でも、毎日長距離を歩いた後だからこそ、そのありがたさが身に染みました。
アルベルゲのシャワー事情が気になる方は、下の記事を読んで参考にしてくださいね。
-

参考スペイン巡礼シャワー事情。アルベルゲにシャンプーやボディソープはある?
続きを見る
プライベートルームが最高すぎる
巡礼では一日中歩いているので、宿に着く頃には身体がかなり疲れています。
しかし、アルベルゲは基本的に共同部屋。
2段ベッドだし、心地よいマットレスではないので、快眠はできませんでした。
いびきにもだいぶ悩まされました。
だからホテルや自宅のふかふかベッドで静かに眠れることが、なんて幸せなのかと思ったのです。
私の場合、巡礼後、2週間かけてマドリード・バルセロナ・パリを旅しました。
マドリードとバルセロナも共同部屋。
とうとうパリでプライベートルームを利用したときは、幸せの極みでした。
「観光しないで、この部屋にずっといた~い」と思ったほど。
普段なら、ベッドで眠ることを「幸せ」なんて考えることはありません。
私も悩まされたアルベルゲのいびき問題について対策をまとめた記事があります。
参考にしてくださいね。
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参考スペイン巡礼、寝れない夜はつらい?|アルベルゲのいびき問題と対処法【耳栓は必須】
続きを見る
ティント・デ・ベラーノが最高だった
スペイン巡礼で私がビールの他に楽しみにしていたものの一つが、ティント・デ・ベラーノ。
赤ワインを炭酸飲料などで割ったドリンクで、暑い日に飲むと最高です。
アクエリアスのようにスーッと身体にしみ渡ります。
「今日もよく歩いたな」と思いながら飲むティント・デ・ベラーノはご褒美でした。
このように、巡礼を歩いていると、幸せはちょっとしたことで感じられます。
・温かいシャワーを浴びられること
・ベッドで眠れること
・冷たい飲み物を飲めること
・疲れた身体で、おいしいものを食べられること
そして日本に帰ってきてからも、以前よりこうした小さな幸せに気づけるようになりました。
何でもない一日でも、
・今日もおいしいご飯が食べられた
・ゆっくりお風呂に入れた
と思える。
日々の見え方が少し変わった気がします。
スペイン巡礼は、特別なものを手に入れる旅というより、自分の幸せに気づく旅でもあったのかもしれません。
日本の良さを改めて実感した

スペイン巡礼を歩いて意外だったこと。
それは、日本の良さを以前より強く感じるようになったことです。
巡礼中は「スペインっていいな」と思うこともたくさんありました。
でも、美味しい物を食べても食や慣れない環境で日本が恋しくなってしまったのです。
日本の良さ
- 日本の居酒屋は本当にすごい
- コンビニのありがたさ
- 海外への移住は無理
- 日本はやっぱり住みやすい
日本の居酒屋は本当にすごい
巡礼中、限界まで歩く生活を続けていたこともあり、ものすごく日本食が恋しくなりました。
巡礼では、「こんなに歩き疲れたんだからガツンとどんぶり飯でも食べたい!」と思ってもそれができない。
それがすごくストレスでホームシックの原因でした。
焼き鳥が食べたい、レバーが食べたい、ホルモンが食べたい、焼肉が食べたい、刺身と日本酒でしっぽりやりたい...。
食べたい物を食べたいときに食べれる日本ってスゴイなと実感しました。
特に居酒屋は食べたい物が揃っていて、ありがたい。
早い段階で日本帰ったら行きたいお店・食べたい物をリストアップしていたほどホームシックになりました。
しかも、遅い時間まで営業しているお店も多い。
スペインにももちろんおいしい料理やバルがあります。
でも、日本の居酒屋の「いろいろなものを食べながら、お酒を飲む」という文化は、本当に素晴らしいと思いました。
そして、日本に帰ってきて居酒屋へ行ったときは、おしぼりに感動してむせび泣きました。
コンビニのありがたさ
居酒屋もすごいけど、コンビニもすごい。
これも日本にいると、あまりにも当たり前なので気にしていませんでした。
でも海外を長く歩いていると、必要なものがいつでも買えることのありがたさを実感します。
飲み物も、おにぎりも、パンも、お菓子も、日用品も買える。
私が巡礼中に欲していたタンパク質も、コンビニがあればプロテインバーで補給できます。
店舗によってはATMがあったり、トイレを利用できたりも。
しかも、どこに行ってもある程度同じようなサービスを受けられる。
スペイン巡礼中は、「どこで買い物しよう」と悩むこともありました。
普段は何とも思わない便利さも、一度離れてみると、そのありがたさがよく分かります。
海外への移住は無理
これはかなり個人的な感想ですが、スペイン巡礼を経験して、私は「海外移住は無理だ」と悟りました。
元々スペイン巡礼が終わったら、海外へ住むことも視野に入れていた私。
それは長年の夢でもありました。
しかし、食事だけでなく、トイレや慣習、あらゆる面で日本が恋しくなったのです。
巡礼でホームシックになるなら、住むなんてとても無理だと実感。
海外旅行は大好きです。
知らない国へ行くのも、新しい文化に触れるのも楽しい。
これからも海外旅行にはたくさん行きたいと思っています。
でも、「旅行すること」と「そこで生活すること」は全然違うなと。
32日間スペインで生活するように過ごしてみて、やっぱり私は日本で暮らす方が楽だと感じました。
もちろん、海外で暮らしている人を否定するつもりはありません。
海外生活が合う人もたくさんいると思います。
ただ、私自身は「海外は旅行で楽しむくらいがちょうどいい」と思うようになりました。
日本はやっぱり住みやすい
日本に帰ってきてから、「やっぱり日本って住みやすいな」と思えました。
時間どおりに来る公共交通機関。
どこでも比較的簡単に買い物ができる環境。
清潔なトイレ。
温かいお風呂。
コンビニ。
居酒屋。
いったん日本を離れて過ごしてみると、日本の便利さや暮らしやすさがよく見えてきます。
スペイン巡礼では、スペインの素晴らしさをたくさん知りました。
同時に、日本の良さも改めて知ることができました。
海外へ行ったからこそ、「やっぱり日本が好きだな」と思えた。
これも、32日間のスペイン巡礼で得た意外な気づきの一つです。
人生が劇的に変わったわけではない。でも、考え方は確実に変わった

ここまで書いてきたことを振り返ると、色々な変化はあったので、「スペイン巡礼で人生が変わった」と言ってもいいのかもしれません。
ただ、個人的には少し違うようにも思っていて...。
仕事が突然うまくいくようになったわけでもないし、競馬や宝くじに当たったわけでもありません。
巡礼から帰ってきたら、何もかもが良い方向に変わっていたということもありません。
でも、自分の考え方や物事の受け止め方は、間違いなく変わりました。
考えの変化
- 運がつくわけではない
- マインドは変わった
- 「歩いてよかった」と今でも思う
運がつくわけではない
スペイン巡礼を歩いたからといって、運が良くなるわけではありません。
歩いたから仕事が成功するわけでも、人生の悩みがすべて解決するわけでもありません。
巡礼を終えた後も、嫌なことはあります。
思い通りにならないこともあります。
「巡礼に行けば人生が好転する」というものではありません。
ただ、以前ならクヨクヨ悩んでいたようなことでも、「まあ、何とかなるか」と思えるようになった。
それだけでも、私にとっては大きな変化でした。
マインドは変わった
一番変わったのはマインド。
32日間、毎日歩いていると、楽しいことばかりではありません。
足が痛くなることもあるし、疲れて歩きたくなくなる日もあります。
なんなら、歩いているときは「辛い」ばかり思っていました。
それでも、一歩ずつ歩いていれば、いつか必ず目的地に着きます。
一歩一歩の積み重ねで約780km歩いた功績は自分の中でもかなり大きい。
その経験をしたことで、人と比べることが少なくなりました。
それに、
・自分のペースで進めばいい
・疲れたら休めばいい
・起こりもしないことに対して「どうしよう」と悩むのではなく、問題が起きたら、そのとき考えればいい
そんなふうに、以前より肩の力を抜いて考えられるようになった気がします。
人生そのものが変わったというより、人生を見る自分の目が変わった。
私にとっては、これがスペイン巡礼で得た一番大きなものなのかもしれません。
「歩いてよかった」と今でも思う
スペイン巡礼を歩いてから、時が経ちました。
今でも「歩いてよかった」と思っています。
歩いたからこそ出会えた人がいて、見られた景色があって、気づけたことがありました。
そして、帰国してから自分の考え方も変わりました。
スペイン巡礼は、私の人生を劇的に変えた魔法のような旅ではありません。
でも、これからの人生をどう歩いていくかを考えるきっかけにはなりました。
もし今、「スペイン巡礼に行ったら何か変わるのかな」と思っている人がいるなら、必ず人生が変わるとは言えません。
ただ、長い距離を自分の足で歩き、自分自身と向き合う時間は、きっと何かを残してくれるでしょう。
私にとっては、それが「行ってよかった」と今でも思える理由です。
まとめ | スペイン巡礼で得たものは歩いた距離以上だった

32日間、スペイン巡礼を歩きました。
約780kmという距離を歩き切ったことも、もちろん大きな経験です。
でも、振り返ってみると、私が巡礼で得たものは、歩いた距離だけではありませんでした。
世界中の人との出会い、自分自身との向き合い方、物事の考え方、そしてこれからの人生について考えるきっかけ...。
目に見えるものだけではなく、たくさんのものを持ち帰ることができたと思っています。
まとめ
- 出会いも経験も一生の財産
- 巡礼は歩き終わってからも続いている
- またいつか歩きたい
出会いも経験も一生の財産
スペイン巡礼で出会った人たちは、今でも私の大切な財産です。
一緒に歩いたり、食事をしたり、くだらない話で笑ったり。
過ごしたのは短期間ですが、「また会おう」と思える仲間ができました。
そして、人との出会いだけではありません。
足が痛くなったこと。
疲れ果てたこと。
でも歩き続けたこと。
おいしいアクエリアスやティント・デ・ベラーノに感動したこと。
そうした一つひとつの経験も、今となっては大切な思い出です。
巡礼は歩き終わってからも続いている
スペイン巡礼は、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着したら終わりだと思っていました。
でも、そうではありません。
日本に帰ってきてからも、
・人と比べなくなったこと
・無理をしなくなったこと
・小さな幸せに気づけるようになったこと
などの変化は、巡礼を歩き終えた後の生活にも残っています。
そう考えると、巡礼は32日間で終わったのではなく、帰国してからも自分の中で続いているのかもしれません。
またいつか歩きたい
スペイン巡礼に行ったからといって、人生が劇的に変わるわけではありません。
でも、自分の考え方や人生の見方が少し変わることはある。
私にとってスペイン巡礼は、歩いた距離以上にたくさんのものを与えてくれた旅でした。
それに、巡礼中は一貫して「もう二度とこんな思いはしたくない」と言っていた私。
ところが、不思議なことに8か月後、熊野古道を歩きました。
これも大きな変化かもしれませんね。
もちろん、もう一度32日間歩けと言われたら、「うわキッツイなぁ」と思うでしょう。
でも「次はポルトガル人の道を歩きたいなぁ」とぼんやり思い描いています。
Buen Camino!
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